続・幼なじみの不器用な愛し方
改めて、このクリニックで働けたことに感謝する。


お礼の言葉を述べてから、これからのことを言える範囲で伝えた。

1人で産むつもりなのだと言うと2人はとても心配そうにしたけれど、最後にはわたしの決断を受け入れ、背中を押してくれた。


新年度になって先輩が産休から戻ってきていたこともあり、すぐの退職でも問題ないと言ってもらえた。

体調を見つつ、4月いっぱい。出勤は残り7日ほどになった。


話し合いを終え、駅前のカフェで宮水と落ち合った。

駅の反対側に周り10分ほど歩くと、宮水が住む1Kのアパートが見えてくる。


「アキが来るって言うから、掃除めちゃくちゃ頑張ったんだよ。褒めて」

「あはは、ありがと。しばらくお世話になります」

「お世話しまーす」


悪阻がいよいよしんどくなってきたと伝えたところ、宮水がうちにおいでよと言ってくれたのだ。

両親に妊娠に気付かれるわけにはいかず、また有斗とのことを聞かれるのも嫌で、ありがたく身を寄せさせてもらうことになった。


翌日、わたしの希望で理由を伏せながらも退職することが知れると、先輩も後輩もみんな寂しがってくれた。
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