続・幼なじみの不器用な愛し方
聞けばその女性はここのオーナーさんらしく、ご夫婦でゲストハウスを営んでいるそうだ。

ラウンジを通りかかったところ、見るからに元気のないわたしを見つけて声をかけてくれたらしい。ラウンジに、他のゲストの姿はない。


気にかけてくれたことを感謝しつつ、どう返そうかと言い淀む。

状況をどう整理しても情報をどう精査しても、今のわたし、あまりにも訳アリすぎる……。


「えーと……」


舌先で言葉を転がしたわたしを見て、その女性は口角を緩やかに持ち上げた。


「ティーパックやけど、フリードリンクにリラックス効果のあるカモミールティーもありますよ。飲みはります?」

「あ……はい」


反射的に頷いたわたしに、その人はカモミールティーを淹れてくれた。

目の前に置かれた湯気の昇る紙コップを見て、はたと思い至る。

うんって言っちゃったけど、ハーブティーって妊娠中に飲んでも大丈夫なのかな……?


「ありがとうございます」


口をつけずにスマホを触るわけにもいかず、どうしたものかと逡巡したとき、女性の視線がすっとわたしの隣に流れた。


「あら……? あなた、もしかして妊婦さん……?」

「えっ」
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