続・幼なじみの不器用な愛し方
セットのされていない無造作な黒い髪に、切れ長の涼やかな目。背は高いけれど線が細く、どこか儚げな雰囲気のする人だった。


「彼、アパートの大家さんなんです。今ちょうど空き部屋があるって言うから、来てもらっちゃった」


にこにこと穏やかな笑顔は変わらないのに、どこか醸し出す空気がさっきまでとは違って見えた。

なんと。不動産屋さんをすっ飛ばして、アパートの大家さんの登場ですと。

驚きつつも視線をずらすと、その男性……石田さんは眉間に皺を寄せて、オーナーさんを睨みつけた。


「来てもらっちゃったって……急ぎやから早よ来いって言うたん、明海(あけみ)さんやないですか」

「あはは。細かいことは気にせんの」

「痛った」


石田さんの腕を、明海さんと呼ばれたオーナーさんがバシバシと遠慮なく叩く。

……なるほど。このオーナーさん、営業用のお顔をお持ちの様子。


「……で。この人が家探してはる人ですか」


石田さんの目がわたしを捉えたので、思わず背筋が伸びる。

低いトーンで静か放たれる関西弁にはまだ慣れるはずもなく、少し緊張してしまう。


「秋山美月と申します。えっと……」
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