続・幼なじみの不器用な愛し方
『よかった。家が決まったって連絡もらったきりだったから、心配してたの。元気そうでひとまず安心したよ』


宮水の嘆息する気配がする。

視界の端に映ったトンビが空高く羽ばたくのを仰ぎながら、わたしはそっと、ふっくらとしてきたお腹に手を当てた。


「うん、元気だよ。だから、あんまり心配しないでね」


有斗と別れてから、ネットニュースやSNSをほとんど見なくなった。

というより、スマホをほとんど触らなくなった。

想いが鮮明に残る中で、その人の名前や近況がわかってしまうというのは、想像以上に苦しいことだった。


今、どんな姿だろう?

SNSの公式アカウントに、投稿はしてるの?

見てはいけない。気にしないようにしよう。思えば思うほど、その気持ちは明確にわたしの中に浮かんできた。

忘れようとすればするだけ、自分の中に穿った空洞の大きさを思い知った。

それは、身勝手な行動しかできなかった自分に与えられた罰なのだと思う。


わかっていたことじゃんか。

自分にそう言い聞かせ、それでもわたしは自分の中で想いを昇華することを望み、せめてもと抗うようにスマホを遠ざけた。
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