続・幼なじみの不器用な愛し方
……本業? 本業って何だろう?

小首を傾げるもわたしがそれを知る術はなく、今に至るまで、連日何やら難しい顔でパソコンと睨めっこしているということしかわかっていない。


木を基調とした穏やかな空気が流れる空間に、ぱちぱちとキーボードを叩く音が響く。

わたしはそれをぼんやり聞きながら、栞を頼りに再び本を開いた。




お手伝いをすることになり、石田さんは時給を払うと言ってくれたけれど、入居の際、かなり融通を利かせてくれていたので、謹んで辞退した。(後で知ったけれど、賃料も少しだけ下げてくれていたらしい)

石田さんは食い下がりかけたけれど、わたしが断固として譲らないのを見るや、手伝いは気が向いた時だけでいいと言ってくれた。

シフト制ではないので、お暇する時間も大体だ。頃合いを見て、お先に失礼する日が続いている。

そもそもの営業時間も(大体)18時までという緩いもので、個人経営故に自由だなと感じるのだれけど。


「明日、店開けへんから。手伝いは不要です」


17時30分頃。そろそろお暇しようかと思っていたところへ声が降ってきた。

顔を上げると、いつの間にか石田さんが傍に立っている。


「わかりました。定休日でしたっけ?」

「定休日は特に決めてないです。休みたい時は勝手に休んでるんで」
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