続・幼なじみの不器用な愛し方
2つの河川の合流箇所でもあるそこには、亀を模した飛び石があって、人気の観光スポットになっていた。

大学生らしき男女がそこを渡るのを横目に見ながら、堤防を歩く。

と、空いているベンチが見つかったので、座面が湿っていないかを確認して、お腹に手を添えながら腰を下ろした。


「ふぅ……」


たまらずにポケットに突っ込んでいたハンカチで汗をぐいっと拭って息を吐く。

少し歩いただけで汗だくだ。


開けた河川敷に吹く、湿気を含んだ風を感じながら買ったばかりのパンを口に運ぶ。

頭上に茂る木の葉が、風に揺れてさわさわと鳴いていた。


「落ち着くなぁ……」


さっきのお店でパンを買い、青空の下、河川敷で食べるというのが、こっちに来て発見した楽しみの一つだ。

京都で通うようになった産婦人科がここから10分ほど歩いたところにあり、ついでに立ち寄ったのがきっかけだった。

のんびりと川の流れを見ながらご飯を食べる時間があまりに幸せで、今日は朝から天気が良かったから、検診もないのに足を伸ばすことにしたんだ。


最後の一口を飲み込み、菓子パンに手を伸ばしながら、そういえばと思考を巡らせる。
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