続・幼なじみの不器用な愛し方
高校を卒業した春、有斗と京都を訪れた時も、川沿いに下りたことがあったっけ。
あの時はもっと街中で、座り込んで駄弁る人達すらも風景になっていた。
どっちが言い出したのか、わたし達も座ろうという話になったんだけど、その時近くにいた若い女の子達が有斗のことを凝視していて、慌てて踵を返したことを覚えている。
「……」
思い出さないようにと思うのに、ふとした瞬間に記憶を引っ掻かれる。明確な痛みがわたしを襲う。
だけど、大切な思い出のある場所だからこそ、1人だってこの子を産んで育てていこうと思えているのだと思う。
「ねぇ、まめちゃん。ママ、あなたと会えるのがすごく楽しみなの」
前回の検診の後、自然と口に出た胎児ネームでお腹に呼びかける。
本来であれば性別がわかってもいい頃だそうなんだけど、まめちゃんは恥ずかしがり屋なのか、まだエコーで見せてくれなかった。
「まめちゃんが寂しくないように、不自由しないように、たくさん頑張るから。だから、元気に大きくなってね」
1人で産んで育てると決めた時、国家資格を持っていることに心から感謝した。
資格というのは生きるための1つの武器だ。
あの時はもっと街中で、座り込んで駄弁る人達すらも風景になっていた。
どっちが言い出したのか、わたし達も座ろうという話になったんだけど、その時近くにいた若い女の子達が有斗のことを凝視していて、慌てて踵を返したことを覚えている。
「……」
思い出さないようにと思うのに、ふとした瞬間に記憶を引っ掻かれる。明確な痛みがわたしを襲う。
だけど、大切な思い出のある場所だからこそ、1人だってこの子を産んで育てていこうと思えているのだと思う。
「ねぇ、まめちゃん。ママ、あなたと会えるのがすごく楽しみなの」
前回の検診の後、自然と口に出た胎児ネームでお腹に呼びかける。
本来であれば性別がわかってもいい頃だそうなんだけど、まめちゃんは恥ずかしがり屋なのか、まだエコーで見せてくれなかった。
「まめちゃんが寂しくないように、不自由しないように、たくさん頑張るから。だから、元気に大きくなってね」
1人で産んで育てると決めた時、国家資格を持っていることに心から感謝した。
資格というのは生きるための1つの武器だ。