続・幼なじみの不器用な愛し方
カウンターの内側に綺麗なタオルがあったので差し出すと、石田さんはお礼を言いつつ受け取った。


「雨が降るとまだ冷えますね」

「ですね。空気がひんやりする」

「風邪引かないようにしてくださいね」

「気をつけます」


お手伝いをする中で、これくらいの短いやり取りはするようになった。

口数が多いわけではないけれど、けして会話が嫌いというわけではないことはわかってきた。

向こうから無駄話を振られることはあまりないけれど、話しかければしっかりと返してくれる人なのだ。


「そうだ。さっき、石田さん宛に荷物が届きました」

「え」


肩辺りを拭きながら、珍しく石田さんが目をわずかに見開いた。

その反応に、受け取っちゃまずかったかな……という気持ちがもくもくと湧き上がる。


「すみません、店舗のほうに配達員さんが訊ねてこられたので、受け取ってしまいました……」

「あ、いや。それは全然ええねんけど」


しおしおと謝るわたしに、彼は慌てたように首を振る。

普段は年下のわたしにも敬語なのに、不意に砕けたので驚いた。


「今日届くって、すっかり忘れとった俺が悪いんで。受け取ってくれてありがとうございました」
< 96 / 141 >

この作品をシェア

pagetop