続・幼なじみの不器用な愛し方
ぺこりと頭を下げて、石田さんが荷物を確認する。

その様子をちらちらと盗み見ていると、顔を上げた石田さんとバチッと視線が合った。


「すみません、何でもないですっ」


慌てて顔を逸らしたけれど、口を衝いて出た言葉は駆け足になった。


「ははっ。わかりやすいなぁ」


わざとらしくなってしまった言動を見て、石田さんが小さく吹き出した。

くつくつと喉を鳴らす石田さんを見て、わたしは顔に熱が集まるのを感じる。


「気になってるん、バレバレ」


指摘されて、わたしは思わず両手で顔を隠した。

あぁ、穴があったらなんとやら。

不躾ですみません……と言ってみるけれど、言葉は尻すぼみになった。


「謝らんでいいですよ。別に隠してるわけちゃうし、荷物の受け取り先こっちのままにしてたの俺やし」

「……じゃあ、聞いていいんですか」


不躾ついでに質問を投げると、石田さんがまた笑った。

切れ長の目は笑うと糸のようになって、目尻に皺が刻まれる。


「どうぞ?」


僅かに首を傾げて口元に笑みを浮かべている辺りが、大人の余裕だなぁと思う。


「石田さんの本業って何なんですか?」

「何やと思う?」
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