続・幼なじみの不器用な愛し方
「まぁ、そうとも呼ばれますね。俺はそうとは思ってへんけど」


あくまでも物書きなんで、と、何やらよくわからないことを言っている。

どうやら石田さんの中では、物書きと小説家というのは別物らしい。


でも、肯定したってことは……やっぱり、小説家さんなんだ……。


「秋山さんが今考えてること当てたりましょか」

「えっ!?」

「“こんなにデリカシーのないやつが、小説書いてるとか嘘やろ?” ……どう? 当たってます?」


ぎくり。胸の奥の方で湧き上がりかけていた言葉を言い当てられて、思わず肩を竦める。

初対面の時のド直球な物言いと、目に見えない情景描写や心情を書く小説家という仕事は、どうにも上手く結びつけられなかったのが本音だ。


「デ、デリカシーない人とは思ってません」

「嘘やろ?とは思ったんやな。素直でええわ」


気を悪くする素振りも見せずに、ぱらぱらと紙の束をめくっていく石田さん。

視界の端には無数の文字が見えては流れ、その膨大な量に目眩すらしそうになる。

この量の文章を紡ぐなんて、わたしには考えられなかった。


「それ、新しいお話ですか?」

「うん。やっとデータから紙になったわ」

「じゃあ、しばらくはパソコン作業なし?」
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