仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです

 その夜、誌史は夕食にてりたまハンバーグを作って修吾の帰りを待っていた。飛行機は夕方着の便だったようだが、本省に寄ってから帰ると修吾から連絡があった。

 準備を終え、静かな時間が訪れると、どうしても近頃の失敗の数々を思い出す。

 (里依紗さんの言う通り。本当にどうかしてるよね)

 ソファの背もたれに体を預け、ため息が漏れる。
 資料を紛失して以降、さらに厳重に確認をするようにしてきたのにこのざま。今日の失態ですっかり自信喪失だ。

 (だけど、今朝見たのはなんの資料だったんだろう)

 打ち合わせ後に会社に戻って確認しようとしたが、誌史のデスク周りには残っていなかった。まるで最初からそこになかったかのように。

 そうしてあれこれ考えていると、玄関のドアが開く音がした。修吾だ。
 腰を上げて出迎えようとするより早く、彼がキャリーバッグを引いてリビングに現れる。


 「ただいま」


 五日ぶりに修吾の顔を見て、つい涙腺が緩みそうになった。


 「……おかえりなさい」
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