仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 気を取りなおして鼻をクンクンさせる。


 「焦がしネギのチャーハン」
 「香ばしい匂いの正体はネギだったんですね」


 落ち込んだ心と裏腹に、途端に空腹を覚えた。


 「ちょうどできたところだ。早速食べよう」
 「ありがとうございます」


 バッグを置き、手を洗ってからテーブルにつく。並べられたチャーハンと野菜スープを前に「いただきます」と手を合わせた。
 早速スプーンですくって口に運ぶ。


 「ん、とっても美味しい」


 こんがりと炒めたネギと、ほのかににんにくの風味も効いている。


 「それはよかった。ところで、仕事でなにかあった?」
 「えっ?」


 思わず素っ頓狂な声が出てしまい、慌ててスプーンを置いた。


 「表情が少し暗い」
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