仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 その姿を、修吾が険しい表情で見据えていた。スーツ姿の背筋は真っすぐで、ただそこにいるだけで場の空気を支配する。

 修吾は席を立って歩みを進め、里依紗の前に立った。深い瞳に射抜かれた瞬間、控室の誰もが息を呑む。


 「近藤さん、弁解の前に事実を直視したらどうですか。鎌形さんの資料を故意に差し替えたのはあなたでしょう」
 「ち、違います……! 私は、鎌形さんのミスをカバーしようとしただけで――」
 「里依紗、それは違うよな」


 そこで割り込んできたのは夏生だった。


 「ここ数カ月の彼女のミスを引き起こさせたのも里依紗だったんだろう?」
 「えっ……」


 これに声をあげたのは誌史だ。
 あの数々の不可解なミスが、里依紗の仕業だったというのだから。


 「な、なにを言ってるのよ。そんなの知らないわ!」
 「どうもおかしいと思って、俺なりに調べたんだ」
 「そんな、根も葉もないことを言わないで!」
 「何人かの証言も取ってる」
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