仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
静かなのに、抗えないほどの強さで響く修吾の声。誌史は振り返ることもできず、ただ胸の鼓動が痛いほど鳴り響いていた。
修吾の手は熱を帯びていて、その体温が皮膚から心臓へと伝わってくるよう。静まり返った控室に鼓動だけが響く。
「本当は誌史のお母様が退院して、誌史が落ち着いてからにしようと思ってた。でも……」
修吾がためらうように言葉を止める。
もう一巻の終わりだ。お役御免。誌史は婚約者の地位を失うのだろう。
この状況で、その事実からは逃げられない。誌史は息を呑み、覚悟した。
しかし目は合わせられず、フロアに頼りなく揺れる。
修吾は一度、深く息を吸った。その呼吸の音が、決意の前触れのように聞こえ、誌史に緊張が走る。
「この数カ月、キミをそばで見てきて何度も思った。努力を惜しまず、真っすぐで誰よりも人のために動くキミが、俺は……好きなんだ」
誌史は目を大きく見開いた。
(えっ、今、私を好きって……?)
耳の奥で鼓動が鳴り、言葉が出ない。
修吾の手は熱を帯びていて、その体温が皮膚から心臓へと伝わってくるよう。静まり返った控室に鼓動だけが響く。
「本当は誌史のお母様が退院して、誌史が落ち着いてからにしようと思ってた。でも……」
修吾がためらうように言葉を止める。
もう一巻の終わりだ。お役御免。誌史は婚約者の地位を失うのだろう。
この状況で、その事実からは逃げられない。誌史は息を呑み、覚悟した。
しかし目は合わせられず、フロアに頼りなく揺れる。
修吾は一度、深く息を吸った。その呼吸の音が、決意の前触れのように聞こえ、誌史に緊張が走る。
「この数カ月、キミをそばで見てきて何度も思った。努力を惜しまず、真っすぐで誰よりも人のために動くキミが、俺は……好きなんだ」
誌史は目を大きく見開いた。
(えっ、今、私を好きって……?)
耳の奥で鼓動が鳴り、言葉が出ない。