仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「とても自然な空気感なので、そんなに離れているように思いませんでした」
 「そう? 嬉しいわ。ね? 達彦さん」


 多香美は隣に座る達彦と笑い合った。
 年齢を理由に断られるのではないとわかりホッとするのと同時に、修吾の両親に対してシンパシーを覚える。

 (親子揃ってひと回り差の夫婦だなんて)

 なんだかやけに嬉しい。


 「で、そろそろ本題に入りたいんだけど」


 修吾が唐突に切りだす。
 たしかに今日は年齢の話をしに来たわけではない。誌史は膝の上に両手を置き、背筋を伸ばした。


 「父さん、母さん、俺、誌史さんと結婚しようと思ってる」


 修吾は一度、誌史のほうをちらりと見てから、まっすぐ両親に視線を向けた。

 声は落ち着いていたが、膝の上に置いた手がほんの少しだけ強く握られているのがわかる。
 達彦はカップをソーサーに戻し、ゆっくりと誌史に視線を向けた。
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