仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「こ、こんにちは」


 修吾の姿に目を奪われ、誌史は思わず視線を泳がせながら挨拶する。おかげで、簡単な言葉すらもつれて出てしまう。

 修吾は車から降りた勢いのまま軽く手を上げ、優しい笑みを浮かべて近づいてきた。日差しが彼のシャツに反射し、汗ばむ額に一筋の光がきらりと走る。


 「待たせて悪かった。暑かっただろう」


 その声は落ち着いていて、どこか気遣うような響きがあった。誌史はワンピースの裾をそっと指でつまみ、照れ隠しに小さく首を振る。


 「日陰にいたので」


 そう答えながら、誌史は自分の声が少し震えていることに気づき、頬がわずかに熱を持つのを感じた。


 「乗って」
 「ありがとうございます」


 助手席のドアを開けてくれた修吾にお礼を言って乗り込む。車内はクーラーがほどよく効いており、すぐに汗が引いていく。
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