仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです

 会場は都心の賑やかな通りから一本入った路地に佇む、ダイニングバーにあるパーティールームだった。白を基調としたモダンな壁に囲まれ、クリアなガラスパネルがスタイリッシュな開放感を演出。午後の陽光が大きな窓から降り注ぎ、室内を明るく爽やかに照らす。

 パーティールームの扉を開けると、グラスの音と笑い声が重なり合い、あたたかな照明が空間を包み込んでいた。

 招待客の中心は修吾が留学していたときの友人たちらしく、背の高い外国人の男女がワイン片手に談笑している。ところどころに日本語と英語、イタリア語が入り混じり、勉強中のフランス語も飛び交っていた。

 自分が普段いる職場とはまるで違う空気に、誌史は思わず背筋を伸ばす。


 『シュウゴ!』


 淡い緑の爽やかなシャツを着た瞳の青い男性が、人混みをかき分けてやってきた。金髪を後ろで無造作に束ね、笑顔を浮かべている。
 修吾は誌史の耳元で「彼が今日の主役」と教えてくれた。


 『来てくれてありがとう』
 『誕生日おめでとう』
< 83 / 289 >

この作品をシェア

pagetop