最強の騎士団長に嫁いだ偽りの公爵令嬢は、溺愛から逃げられない
「武器はすべて取り上げられているはずだが?」
「嘘じゃねぇ。じいちゃんは町長だったんだ。町のみんなで協力して、私兵たちから奪って集めたんだ。じいちゃんたちはまだ、公爵の手下と戦ってる! 早く姉さんを見つけて戻らないと、じいちゃんたちまで殺されるっ」
「リーゼをエルラントへ連れていってどうするつもりだ? どのみち、公爵に捕まるだろう」
リーゼがヴァルディエ公爵の娘として生かされていることを知らないのだろうか。
シルヴィオが考え込むと、リヒトは馬鹿にされたと思ったのか、グッとこぶしを握りしめた。
「じいちゃんは最後の希望だって言ってた」
「希望? なんだそれは」
「じいちゃんが聞いたんだ。リーゼ姉さんが、第一王国騎士団の団長と結婚したって。……公爵の私兵たちがそう話してたって」
「それが希望か?」
「そうだよっ。第一王国騎士団の団長って言ったら、このラグローリアで一番の剣士だっ! ヴァルディエ公爵の私兵になんか負けねぇ。エルラントで待つじいちゃんたちを絶対助けてくれるって!」
「……なるほど」
シルヴィオはうっすらと口もとに笑みを浮かべた。
「何がおかしいっ」
「その騎士団長とやらの名前も知らないのかと思ってな」
「ああ、知らねぇ。でもこれだけは知ってんだ。珍しい銀色の髪の男だって! 王都に行けば、必ず会えるって、じいちゃんがっ。だから、俺たちはこのまま王都に向かうしかねぇんだ」
「その必要はない」
「……どういう意味だよ。まさか、あんた、ヴァルディエ公爵の手下……」
シルヴィオはフードを外して、頭を振った。銀色の髪が、陽を受ける雪に負けないほどに輝く。
その様子を、リヒトはぽかんと口を開けて見つめていた。
「俺が、リーゼの夫だ。第一王国騎士団団長、シルヴィオ・ヴァイスの名前ぐらい、覚えておけ」
「嘘じゃねぇ。じいちゃんは町長だったんだ。町のみんなで協力して、私兵たちから奪って集めたんだ。じいちゃんたちはまだ、公爵の手下と戦ってる! 早く姉さんを見つけて戻らないと、じいちゃんたちまで殺されるっ」
「リーゼをエルラントへ連れていってどうするつもりだ? どのみち、公爵に捕まるだろう」
リーゼがヴァルディエ公爵の娘として生かされていることを知らないのだろうか。
シルヴィオが考え込むと、リヒトは馬鹿にされたと思ったのか、グッとこぶしを握りしめた。
「じいちゃんは最後の希望だって言ってた」
「希望? なんだそれは」
「じいちゃんが聞いたんだ。リーゼ姉さんが、第一王国騎士団の団長と結婚したって。……公爵の私兵たちがそう話してたって」
「それが希望か?」
「そうだよっ。第一王国騎士団の団長って言ったら、このラグローリアで一番の剣士だっ! ヴァルディエ公爵の私兵になんか負けねぇ。エルラントで待つじいちゃんたちを絶対助けてくれるって!」
「……なるほど」
シルヴィオはうっすらと口もとに笑みを浮かべた。
「何がおかしいっ」
「その騎士団長とやらの名前も知らないのかと思ってな」
「ああ、知らねぇ。でもこれだけは知ってんだ。珍しい銀色の髪の男だって! 王都に行けば、必ず会えるって、じいちゃんがっ。だから、俺たちはこのまま王都に向かうしかねぇんだ」
「その必要はない」
「……どういう意味だよ。まさか、あんた、ヴァルディエ公爵の手下……」
シルヴィオはフードを外して、頭を振った。銀色の髪が、陽を受ける雪に負けないほどに輝く。
その様子を、リヒトはぽかんと口を開けて見つめていた。
「俺が、リーゼの夫だ。第一王国騎士団団長、シルヴィオ・ヴァイスの名前ぐらい、覚えておけ」