最強の騎士団長に嫁いだ偽りの公爵令嬢は、溺愛から逃げられない
「ずっと……ずっと、陛下にお会いできるこの日を待ち望んでいたのです。そのためには、シルヴィオ様との結婚は絶好の機会でした。……彼と結婚したのは、このためです。彼を騙して利用したのです。ですから……、シルヴィオ様を罰しないでくださいっ。彼は何も知りませんっ!」
悲痛な叫びが、会議室に響き渡る。
マリウスは静かにリーゼを見守っていたが、スッと宰相のマシューへ目を移す。
「あの娘を捕らえなさい」
マリウスの命を受け、控えていた近衛兵たちがリーゼを取り囲もうとする。そのとき、鋭い声がそれを制した。
「お待ちくださいっ、陛下! 彼女は嘘をついています」
シルヴィオがリーゼを背に隠し、一歩前に進み出る。
「ヴァイス、詳しく」
「私は訴えます。アルブレヒト・ヴァルディエ公爵こそが、暁の反乱の首謀者であり、自ら企てた計画で死を装った、カスパル・トゥクル辺境伯、その人であることをご報告します」
「なっ、何を馬鹿なことをっ!」
アルブレヒトが怒りに悶えるように顔を紅潮させて叫ぶと、シルヴィオは鋭い眼差しで彼を見つめた。
「トゥクル辺境伯、あなたがヴァルディエ公爵の異母兄弟であることはわかっているんです。そして、顔が瓜二つであることも」
クッとアルブレヒトが唇を噛むと、マリウスがマシューを見上げる。
「そうなのですか? マシュー」
「……はい。事実でございます。先代のヴァルディエ公爵は、カスパル殿が生まれた際、ノマール辺境伯の養子に出したと、密かな噂がございました。お二人が双子のように似ておられたというのも、また真実でございます」
「シルヴィオ、ほかに話はあるか?」
「はい、陛下。申し上げます。妻のリーゼは、このトゥクル辺境伯に弟を人質に取られ、私を騙したなどと、嘘をつくしかなかったのです。……どうか、陛下の広いお心で、妻をお救いください」
シルヴィオが深く頭を下げる。
しかし、アルブレヒトは鼻で笑い飛ばした。
「欲に溺れたおまえの言うことなど、陛下が信じるはずがないっ!」
「……では、ここに生き証人を呼びましょう」
不意に、レナートが口を開く。
悲痛な叫びが、会議室に響き渡る。
マリウスは静かにリーゼを見守っていたが、スッと宰相のマシューへ目を移す。
「あの娘を捕らえなさい」
マリウスの命を受け、控えていた近衛兵たちがリーゼを取り囲もうとする。そのとき、鋭い声がそれを制した。
「お待ちくださいっ、陛下! 彼女は嘘をついています」
シルヴィオがリーゼを背に隠し、一歩前に進み出る。
「ヴァイス、詳しく」
「私は訴えます。アルブレヒト・ヴァルディエ公爵こそが、暁の反乱の首謀者であり、自ら企てた計画で死を装った、カスパル・トゥクル辺境伯、その人であることをご報告します」
「なっ、何を馬鹿なことをっ!」
アルブレヒトが怒りに悶えるように顔を紅潮させて叫ぶと、シルヴィオは鋭い眼差しで彼を見つめた。
「トゥクル辺境伯、あなたがヴァルディエ公爵の異母兄弟であることはわかっているんです。そして、顔が瓜二つであることも」
クッとアルブレヒトが唇を噛むと、マリウスがマシューを見上げる。
「そうなのですか? マシュー」
「……はい。事実でございます。先代のヴァルディエ公爵は、カスパル殿が生まれた際、ノマール辺境伯の養子に出したと、密かな噂がございました。お二人が双子のように似ておられたというのも、また真実でございます」
「シルヴィオ、ほかに話はあるか?」
「はい、陛下。申し上げます。妻のリーゼは、このトゥクル辺境伯に弟を人質に取られ、私を騙したなどと、嘘をつくしかなかったのです。……どうか、陛下の広いお心で、妻をお救いください」
シルヴィオが深く頭を下げる。
しかし、アルブレヒトは鼻で笑い飛ばした。
「欲に溺れたおまえの言うことなど、陛下が信じるはずがないっ!」
「……では、ここに生き証人を呼びましょう」
不意に、レナートが口を開く。