最強の騎士団長に嫁いだ偽りの公爵令嬢は、溺愛から逃げられない
言いかけた言葉を、最後まで口にすることはできなかった。シルヴィオの熱のこもった唇が、言わせまいと口を塞いだからだった。
私は、リーゼ・ヴァルディエではない。
その事実から逃れられるわけでもないのに、リーゼはまぶたを閉じてしまう。小刻みに震えるまつげが濡れて、その雫がこぼれ落ちないように、彼の唇が拭い取る。
「……勝手に、失わせるな」
「え……?」
まぶたを上げるとすぐ目の前に、熱を帯びた瞳があった。これほどまでに情熱的に揺らめく青い瞳を見たことがあっただろうかというほどに。
「……俺は、ここにいる」
「シルヴィオ、様……?」
「俺は失われてなどいない。あなたが勝手にそう思い込んでいるだけだ」
シルヴィオは大きな手でリーゼの頬を包み込み、逃げ場を塞ぐように顔を寄せた。
「……俺は、あなたがずっと欲しかった。抱いても抱いても、あなたが俺を好きになることはないかもしれない……」
「シルヴィオ様……」
シルヴィオは一つ頭を強く振ると、愛おしげにリーゼの髪をすいた。
「不安だった日々は終わりだ。あの首飾りがこの日を導いたなら、その役割は終えた。俺たちにはもう必要のないものだ」
「で、でも、私はあなたを騙して……」
「そうしなければ、あなたは生きられなかった。生きるためにそうした。それだけだ。あなたは何も間違っていない」
「……許してくださるのですか?」
「許すも何も、やっとつかまえたんだ。……もう二度と、離してやるつもりはない」
シルヴィオの腕が、リーゼの腰を引き寄せる。
抵抗する間もなく、二人の身体は密着した。彼の熱い吐息が唇にかかり、リーゼの頭はしびれたようにくらくらした。
「リーゼ・ノイエル。……俺は、あなたをずっと愛している」
私は、リーゼ・ヴァルディエではない。
その事実から逃れられるわけでもないのに、リーゼはまぶたを閉じてしまう。小刻みに震えるまつげが濡れて、その雫がこぼれ落ちないように、彼の唇が拭い取る。
「……勝手に、失わせるな」
「え……?」
まぶたを上げるとすぐ目の前に、熱を帯びた瞳があった。これほどまでに情熱的に揺らめく青い瞳を見たことがあっただろうかというほどに。
「……俺は、ここにいる」
「シルヴィオ、様……?」
「俺は失われてなどいない。あなたが勝手にそう思い込んでいるだけだ」
シルヴィオは大きな手でリーゼの頬を包み込み、逃げ場を塞ぐように顔を寄せた。
「……俺は、あなたがずっと欲しかった。抱いても抱いても、あなたが俺を好きになることはないかもしれない……」
「シルヴィオ様……」
シルヴィオは一つ頭を強く振ると、愛おしげにリーゼの髪をすいた。
「不安だった日々は終わりだ。あの首飾りがこの日を導いたなら、その役割は終えた。俺たちにはもう必要のないものだ」
「で、でも、私はあなたを騙して……」
「そうしなければ、あなたは生きられなかった。生きるためにそうした。それだけだ。あなたは何も間違っていない」
「……許してくださるのですか?」
「許すも何も、やっとつかまえたんだ。……もう二度と、離してやるつもりはない」
シルヴィオの腕が、リーゼの腰を引き寄せる。
抵抗する間もなく、二人の身体は密着した。彼の熱い吐息が唇にかかり、リーゼの頭はしびれたようにくらくらした。
「リーゼ・ノイエル。……俺は、あなたをずっと愛している」