転生幼魔女は生き延びたい!~唯一無二の力はナイショだよ〜
「驚かせてしまって、ごめんなさい。すごく嬉しくて……思わず涙が出てしまいました」

 クリスティーヌは瞳を潤ませながらも、口元には柔らかな微笑みを湛えて、セレスティアを優しく見つめた。

「ありがとうございます。私も、セレスティアさんと仲良くなりたいです」

「……ほ、ほんとう?」

「ええ、本当です」

「わぁ……! やったーっ!」

 セレスティアは湧き上がる喜びのまま両手を挙げ、足をパタパタとさせた。
 
 十三年間分の前世の知識を持つとはいえ、身体はまだ三歳。
 気持ちが昂ぶると理性が感情に負けてしまうのか、嬉しさが抑えきれなかった。

「お嬢様、おしとやかに」

「あう。……ごめんなしゃい」

 ポーラにすかさず(たしな)められ、セレスティアは手を下ろして淑女らしい澄まし顔をつくる。
 そのおませな様子にクリスティーヌはくすくすと朗らかな笑みをこぼした。

継母(はは)として至らないところもあるかもしれませんが、これからどうぞよろしくお願いしますね、セレスティアさん」

 丁寧にお辞儀をしたクリスティーヌに、セレスティアも慌ててペコリと頭を下げる。

「あっ、こちらこしょ! ふちゅ、ふつつかな、むすめですが、よろしく、おねがいしますっ!」

 とっさに頭に浮かんだフレーズを口にすると、クリスティーヌとポーラが揃って顔をほころばせた。

「まぁ、難しい言葉をご存知なのですね」

「どこで覚えてくるのか分からないのですが、最近はこうして時折、大人びたことを(おっしゃ)るようになりまして」

「ふふっ、おませさんなのですね。可愛らしい」

 なごやかに言葉を交わす乳母と継母を、セレスティアはニコニコと眺めていた。すると膝の上から『よかったわね』とマリアベルがそっと声をかけてくる。

 シルフたちはもう見守らなくても大丈夫だと思ったのだろう、ヒラヒラと手を振って窓の外へと飛び立っていった。そしてブラウニーたちもいつものように、日の当たる場所でうたた寝を始める。

 お茶会はその後も穏やかな雰囲気のまま、幸せな余韻を残して幕を閉じたのであった。





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