転生幼魔女は生き延びたい!~唯一無二の力はナイショだよ〜
~ 崩壊の危機 ~
第1話:継母の不思議な行動
初対面の日から、セレスティアは毎日クリスティーヌの部屋を訪れるようになった。
彼女はいつも温かな微笑みでセレスティアを迎え、本を読み聞かせてくれたり一緒に歌を歌ったり、淑女のマナーや文字の読み書きを優しく教えてくれる。
前世でも今世でも実母との思い出のないセレスティアにとって、初めて過ごす〝母親〟との時間はとても新鮮で、そしてかけがえのないものだった。
──もっと一緒にいたい。
一週間も過ぎる頃には、そんな想いが自然と心の中に芽吹いていた。
「くりすちーぬさま。きょうも、おさんぽ、いけない?」
「ええ。ごめんなさいね」
「それじゃあ、ごはんは? いっしょに、よるごはん、たべよう?」
セレスティアの誘いにクリスティーヌは申し訳なさそうに眉を下げ、首を横に振った。
「ごめんなさい。勝手な行動をして、ご迷惑をおかけしたくないので……」
「ごめいわく?」
訊き返しても、クリスティーヌは曖昧な微笑みを浮かべるばかりで、それ以上なにも答えてはくれなかった。
なぜか分からないが、セレスティアの継母は頑なに自室の外へ出ようとしない。
ポーラに聞いたところ、到着した初日は家令に案内されて屋敷全体を見て回ったものの、翌日からは引きこもるようになってしまったそうだ。