転生幼魔女は生き延びたい!~唯一無二の力はナイショだよ〜
見るからにふわっふわで柔らかそうな純白の毛並み。
小さな耳の生えた丸い顔に、つぶらな瞳は紫と金の神秘的なオッドアイ。
身体つきはむっちりとしており、お世辞にも細身とは言いがたい。
毛量が多いせいか、それとも単に短足だからなのか。
四肢はほとんど見えず、丸くなって寝そべる姿はまさに──。
「しろたぬき?」
思ったことをついポロッと呟けば、眠りにつこうとしていた白い毛玉の謎妖精がクワッと目を見開いた。
『なんですって? 白タヌキ? ちょいとお待ちなさい、このちんちくりん娘。まさかその言葉、アタクシに言ったんじゃありませんわよね?』
「わたし、ちんちくりんじゃないもん」
『アタクシだって、タヌキじゃありませんことよ!』
じゃあ、なんの妖精なのだろうと首を傾げれば、白い毛玉の謎妖精は『ふんっ』と鼻を鳴らし、二本足で立ち上がった。
腕を組むように前足を胸の前で重ね、もふもふの豊満ボディを揺らしながら短い足でのっし、のっしと詰め寄ってくる。
『いいこと、よーく、お聞き! アタクシはマリアベル・フワルンティ。夫は猫妖精界の三大公爵家のひとつ、フワルンティ公爵家の前当主ざます! ミセス・フワルンティとお呼びなさい』
どう見ても外見はたぬき寄りだが、正体は猫の妖精〝ケットシー〟だったらしい。
失礼なことを言ってしまったと、セレスティアは居住まいを正して頭を下げた。
「まちがえて、ごめんなしゃい。みせ、みせしゅ、ふわりゅん……ふわるん……」
どう頑張っても口がうまく回らない。
特にサ行とラ行の発音がセレスティアは苦手なようだ。
きちんと名前すら呼べず、さらに申し訳なくなって「ごめん、なさい」ともう一度丁寧に謝ると、マリアベルがふわふわの手でセレスティアの頭に触れた。
『マリアベルでいいわ。アタクシも、ちんちくりんなんて言ってごめんなさいね、セレスティア。仲直りしてくれるかしら?』
「もちろん! あれ? なんで、わたしのなまえ、しってるの?」
『アナタたち人間はアタクシたち妖精が見えていないでしょうけれど、こちらには丸見えですもの。……あら? そういえばアナタ、なぜアタクシが見えているんですの?』
問いかけられたセレスティアは、前世の記憶と思われる夢の内容を打ち明けた。
相変わらず発音はたどたどしく、何度も言葉がつかえてしまう。
それでもマリアベルは急かすことも嫌な顔をすることもなく、真剣に話を聞いてくれていた。
そしてそれは他の妖精たちも同様だ。
宙をたゆたっていたシルフたちは静かにセレスティアの肩に止まり、日向でうたた寝をしていたブラウニー三人衆もベッドによじ登り、うんうんと相槌を打ちながら耳を傾けてくれている。
すべてを話し終えると、妖精たちは自分のことのように傷ついた面持ちでうつむき、黙り込んだ。
シルフとブラウニー三人衆はぴったりとセレスティアに寄り添い、マリアベルはこぼれた涙をそっと拭ってくれる。
「ねぇ、まりあべる。みどりのたみ、どうなったか、しってる?」
小さな耳の生えた丸い顔に、つぶらな瞳は紫と金の神秘的なオッドアイ。
身体つきはむっちりとしており、お世辞にも細身とは言いがたい。
毛量が多いせいか、それとも単に短足だからなのか。
四肢はほとんど見えず、丸くなって寝そべる姿はまさに──。
「しろたぬき?」
思ったことをついポロッと呟けば、眠りにつこうとしていた白い毛玉の謎妖精がクワッと目を見開いた。
『なんですって? 白タヌキ? ちょいとお待ちなさい、このちんちくりん娘。まさかその言葉、アタクシに言ったんじゃありませんわよね?』
「わたし、ちんちくりんじゃないもん」
『アタクシだって、タヌキじゃありませんことよ!』
じゃあ、なんの妖精なのだろうと首を傾げれば、白い毛玉の謎妖精は『ふんっ』と鼻を鳴らし、二本足で立ち上がった。
腕を組むように前足を胸の前で重ね、もふもふの豊満ボディを揺らしながら短い足でのっし、のっしと詰め寄ってくる。
『いいこと、よーく、お聞き! アタクシはマリアベル・フワルンティ。夫は猫妖精界の三大公爵家のひとつ、フワルンティ公爵家の前当主ざます! ミセス・フワルンティとお呼びなさい』
どう見ても外見はたぬき寄りだが、正体は猫の妖精〝ケットシー〟だったらしい。
失礼なことを言ってしまったと、セレスティアは居住まいを正して頭を下げた。
「まちがえて、ごめんなしゃい。みせ、みせしゅ、ふわりゅん……ふわるん……」
どう頑張っても口がうまく回らない。
特にサ行とラ行の発音がセレスティアは苦手なようだ。
きちんと名前すら呼べず、さらに申し訳なくなって「ごめん、なさい」ともう一度丁寧に謝ると、マリアベルがふわふわの手でセレスティアの頭に触れた。
『マリアベルでいいわ。アタクシも、ちんちくりんなんて言ってごめんなさいね、セレスティア。仲直りしてくれるかしら?』
「もちろん! あれ? なんで、わたしのなまえ、しってるの?」
『アナタたち人間はアタクシたち妖精が見えていないでしょうけれど、こちらには丸見えですもの。……あら? そういえばアナタ、なぜアタクシが見えているんですの?』
問いかけられたセレスティアは、前世の記憶と思われる夢の内容を打ち明けた。
相変わらず発音はたどたどしく、何度も言葉がつかえてしまう。
それでもマリアベルは急かすことも嫌な顔をすることもなく、真剣に話を聞いてくれていた。
そしてそれは他の妖精たちも同様だ。
宙をたゆたっていたシルフたちは静かにセレスティアの肩に止まり、日向でうたた寝をしていたブラウニー三人衆もベッドによじ登り、うんうんと相槌を打ちながら耳を傾けてくれている。
すべてを話し終えると、妖精たちは自分のことのように傷ついた面持ちでうつむき、黙り込んだ。
シルフとブラウニー三人衆はぴったりとセレスティアに寄り添い、マリアベルはこぼれた涙をそっと拭ってくれる。
「ねぇ、まりあべる。みどりのたみ、どうなったか、しってる?」