野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
まず中君(なかのきみ)のお姿が見えた。
外が気になっていらっしゃるのかしら、お部屋から出る前にお庭の方を(のぞ)いて、(かおる)(きみ)のお(とも)たちをご覧になる。
喪服(もふく)だけれど華やかな色合いの(はかま)をお召しになっている。
それがよくお似合いなの。

(おび)はゆるく結んで、お(そで)に隠すように数珠(じゅず)をお持ちになっていた。
すらりと上品なお姿に、つやつやと豊かなお(ぐし)
横顔は優美(ゆうび)でおかわいらしい。
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