恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
 車中泊を始めて三日目、背中と腰が痛み出した。
やはりアイツの言うようにマットが固いのかも?

「いや、そんな事ない」

 失礼男の事を認めたくなくて、そのうち慣れるだろうと思い直す。

 さて、何処へ行こうかな。
 高速道路にお金を使いたくないけれど、山道の急カーブで手首に負荷をかけたくないから、平坦な道の旅を選んでしまう。
 それでも、同じ姿勢で座っているのが辛くなってきて、サービスエリアに泊まる事にした。宿泊料も毎日だと勿体ないし。

 エリア内のセルフスタンドで給油し、車を場内の隅っこに移動させた。
 腰が痛いと簡単な調理さえ苦痛となり、売店で買ったパンとコーヒーで空腹をしのぐ。
 本当は旅気分を味わいたいけど御当地弁当は千円越すから我慢。

 十月に入り、暑くも寒くもなくて車中泊には快適な季節なはずなのに、雨が降ったせいか、その夜はやや肌寒かった。
 夜中にトイレに行きたくなり、眠い目を擦りながら車を降りた。

「こんばんは〜!」

 と、いきなり挨拶をされ、ビックリしたせいで声が裏返った。

「……こ、こんばんは」




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