恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
「……うみ」

 ティッシュを数枚手に取ると、塩田が私の顔に押し付けた。

「酒乱でも泣き上戸はタチが悪い。もう寝ろ」

 一世一代の告白を、酔っぱらいの戯言だと思われた。

「……うん、寝る」

 鼻をかんで私が寝転がると、「自分んとこで!」と塩田が私の腕を取った。
 華奢に見えるのに、何でこの人、こんなに力あるの?
 グイッと引き寄せられ、顔が近づく。
 目が合い、ほんの数秒間、お互いの顔を眺めると、塩田が視線を逸らした。

「明日で丁度一ヶ月だし、最後の撮影にしよう」








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