恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
 最後――。

 契約書には期限延長に特別な書面は必要なしと書いてあった。
 ″潮時″と言われても、私のやる気さえあれば旅を続けられると思ってた。

 一ヶ月経っても、数字が取れて人気チャンネルになれば動画はずっと撮影公開していくものだと、心の何処かで期待していた。

 やっぱり、塩田はクリエイターとして私を見限っている。
 そう思うと切ない。

「分かった」

 私はよろよろと塩田の車を出て、自分の城へ戻る。

 小さなマイホーム。

 明日からは生活の為だけに移動し、旅をする。
 撮影とかアンチコメントとか気にせずに好きな所へ行き、惰眠と自由を貪れる。

 だけど。
 これは本当に欲しかったもの?

 今はそれでは満たされない事に気がついてしまった。
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