恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
 高部さんが嬉しそうに口角を上げる。

「でも、実物は、まさに ″写真はイメージです″だった」

 塩田の吐いた毒に、一瞬、ポカンとしていたが、

「それ、どういう意味?!」

 高部さんの金切り声が辺りに響き渡った。
 金山さんの仲間達が何事かと此方に注目し始める。

「睫毛エクステとデカ目カラコン取ったら、きっと″うすーい″んだろな」

「は??」

 表情を変えずに、塩田がスパッとトマトを輪切りにして、それが高部さんの白いワンピースに飛び散った。  

「ちょ、何してくれてんのよ?!」
「キャンプにそんなの着てくるのが悪いんだろ。TPOわきまえない女が仕事も出来るとは思えないけど」

 高部さんが怒りに震える様子に、私も含めて周りがオロオロしている。

「し、塩田は相変わらず毒舌だな。ほら、彼女? 友達の唐津さんも引いてんじゃん?」

 金山さんが、な? と調子よく私の背に触れると、塩田は「違うから」とその手を払い除けた。

「な、何が違うって?」

 塩田は金山さんと私の間に割入り、ハッキリと言った。

「うみは俺の嫁だよ」










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