恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
 車中泊? キャンピングカー?

 何気に見たのだが、TVの旅番組みたいな編集で、ハマって次々過去の動画も漁っていた。
 顔を映してないが、同年代の一般女性が自ら車を車中泊用に改造し、一人旅を楽しんでる様子に猛烈に憧れた。
 手作りのシンクに、折りたたみテーブル、キャンプ用の飯盒、アンティークなランプ。

 ――これだ。
 と思った。

 都会の喧騒から離れ、人間関係など気にせずに好きな所に移動し、好きな時に休み、節約しながら生活する。
 ずっとは続けられないけれど、やるなら今しかない、と根拠無しにそう感じた。
 決断したら早い。
 昔からそうだった。

 翌日、私はある車販売店を訪れていた。そこには、車中泊仕様に改造された軽バンが展示されていたからだ。DIYは流石に自信が無かった。

「走行距離は7万㌔で、そこまで古くないしお値打ちですよ」

 予算を伝えて販売員が勧めたのは、130万円の白の、いかにも商用で女性向きではないやつ。
 むしろそれがいい。なんとソーラーパネルとポータブル電源まで装備されていた。

 現金で即買いし、本日納車で使い方を教えて貰う。
車自体、里帰りした時に乗るくらいだから、分からない事は細かく尋ねた。

「ありがとうございました。何かあったらお電話ください」

 早速乗って帰ろうとドアに手を掛けてたら、

「そこのお兄さん」

 背後から呼び止められた。

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