恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
 バーベキューを終えて、浜辺に行く。流石に水着で遊ぶ人は居なかったが夕陽と富士山目当ての撮影者が疎らにいた。

「すげ。こんなん元旦のカレンダーでしか見た事ないわ」

 塩田が山頂に半分埋まった夕陽に感嘆の声を上げる。
 私も思わずスマホで撮影しまくった。

「砂浜でトンネルでも作ってみろよ」

 顔出しすると決めたせいか、顔を引き締めて砂浜にしゃがみ込むと、塩田のダメだしが入った。

「何かしこまってんだ。童心に戻れよ童心に」
「一人で?」
「俺も手伝ってやるよ」
「え?」

 カメラを固定して、塩田が私の前に座った。一人旅のチャンネルなのに、顔出しついでに同行者の存在明かすの?
 塩田が何を考えてるのかわからないまま、砂山を作り穴を掘り進めた。
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