恋愛期間0。彼の毒はスイーツより甘かった。(仮)
契約しました
 元々家具は最小限だったが、それらを売りさばき、退去手続きを終えた私は、住民票を実家に移した。
 事実上、ホームレス。
 不安がないわけじゃないけど、″これが自由か″とあてのないドライブを楽しむ。

 た、の、し、い〜〜!

 少し都心から離れただけで、車窓から入る空気がとても美味しかった。

 スマホで予約した温泉有りRVパークに車を停め、QRコードでチェックインしていると、隣から視線を感じた。
 前髪の間からそっと確認すると、何とこの前の名刺男だった。真っ黄色な軽バンから降りてくる。

「奇遇だね、おねぇさん」
「……」

 とりあえず無視。
 何で会うの? 
 まぁ、都内からそんなに離れてないし、この人があれからも取材対象を探してるのなら、奇跡の再会とまではならない、か。

「そんなツンケンするなよ。この前はマジで美少年だと思ったんだから」

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