愛なき凸凹夫婦だったのに、生まじめ妻は御曹司の熱情愛に堕ちる
3
その晩俊哉は午後十一時過ぎにお酒の匂いをさせて帰宅した。
俊哉が遅くなることはあらかじめわかっていたので、陽菜はもう夕食と入浴を済ませている。
「おかえりなさい」
ダイニングテーブルの上に広げていた公務員試験の参考書を閉じて立ち上がる。
「ただいま」
俊哉の顔が近づいてきたと思ったら、ちゅっと軽くキスされた。
ただいまのキスまでするなんてまったく思っていなかったので、驚いて立ち上がったばかりの椅子に座ってしまう。
「嫌だった?」
お酒が入っているせいだろうか。こちらを見てくる目が、いつもより熱っぽい。
「嫌……ではないですけど」
どういう受け止め方をすればいいのかわからなくて困惑してしまう。
「これじゃ、まるで本当の夫婦みたいです」
「俺と陽菜は本物の婚姻届けを役所に出した関係なんだけど」
「それはそうですが」
愛情のない割り切った関係なのではなかったのか。
最近の俊哉の態度は甘く、まるで陽菜のことを愛しているかのようだ。
「正直に言おう」
俊哉が真顔になってじっと目を見てきた。
「陽菜に触れたくて我慢できない」
「えっ……」
ストレートに言われ、陽菜は言葉を失った。
触れたいというのがどういう意味かは、男性経験のない陽菜にだってさすがにわかる。
「旅行の二泊目、キスしたあと隣のベッドで寝たときは頭がどうにかなりそうだった。結局朝までほとんど眠れなかった」
言われてみれば昨日の朝、俊哉はいつにもましてものすごく眠たそうだった。
「入浴後に部屋に行く。無理だと思ったら、拒絶してくれ。無理強いはしたくない。部屋の鍵をかけてくれればいい。そうしたら、いままでのようにただの同居人に戻る」
陽菜の返事を待たずに、俊哉は脱衣所へ消えていった。
参考書を片付け、陽菜は自分の部屋に戻った。
ベッドの上で膝を抱えて座り、俊哉と出会ってからいままでのことを考える。
突然プロポーズされたときは、なんてひとだろうと思った。でも一緒に暮らしてみると俊哉はいつも陽菜を気遣ってくれた。
たとえ愛情がなくても同居人としてなら上手くやっていけそうだと思った頃に、俊哉が突然花束を買って帰ってきたことがある。その辺りから、陽菜に対する俊哉の態度がだんだんと変わっていった。まるで普通の夫婦のように一緒に出掛けたりするようになった。
心の距離がさらにぐっと近くなったのは、やはり昨日帰ってきた北海道旅行だろう。
小学生と衝突しかけた陽菜のことを抱き締めて、俊哉は少し震えていた。それでこのひとは心の底から陽菜のことを心配しているのだと知れたし、そんな彼を愛おしく思った。
愛情のない結婚なんだからと自分の心を押さえつけていた重りがずれた。
たぶんふたりの愛情はいつのまにかグラスの縁ぎりぎりまで溜まっていて、ついに溢れ出したのがあの夜のキスだったのだと思う。
だからあんなにもしっくりきた。
陽菜が俊哉の友達の前から逃げ出したときのことも忘れられない。
『お願いだから、出て行かないでくれ』
その言葉には切実な響きがあり、陽菜は胸を打たれた。
ようやく自覚した。どうしてかはわからないが、俊哉は自分を好いてくれている。そして自分は俊哉のおおらかさやたまに覗く寂しさに惹かれている。
ガチャッと音がして、寝室の入り口のドアが開いた。
部屋の前に立っているのは、パジャマ姿の俊哉だ。自分でドアを開けておいて、ドアが開いたことに驚いた顔をしているのかおかしい。
「どうして……」
「どうぞ」
ドアの向こうに突っ立ったままの俊哉に痺れを切らして誘い入れる。
若干ためらいながらも俊哉が入ってきて、陽菜の隣に座った。
ふたり分の体重で、ベッドがギシリと音を立てる。
「私が鍵をかけなかったのは意外でしたか」
「そうだね……いや、そうでもない」
俊哉は体をぴったりとくっつけてきた。俊哉の体温をパジャマ越しに感じる。彼からは陽菜と同じシャンプーとボディソープの匂いがした。
「俺は女性からの好意に鈍感ではない方だと思うんだけど、陽菜に関しては正直確信が持てなかった」
「私は好きでもないひとと、いってらっしゃいのキスをしたりしません」
言ってから、改めて自分の気持ちに気づく。
そうだ。自分は俊哉に愛情を持っている。なかなか認められなかったけれど、それは紛れもない事実だった。
肩がずしっと重くなる。俊哉が腕を回してきた。
「陽菜……」
俊哉の顔を近づいてきそうになるのを、手で押さえる。
このままなし崩しでことに及ぶのではなく、もう少し話がしたかった。
「うん?」
「俊哉さんは、どうして私としたいって思うんですか」
「それは……ごめん、ちゃんと言ってなかったな」
俊哉は陽菜と向かい合って正座した。
「改めて言う。陽菜のことが好きだ。プロポーズしたときは『愛情はない』なんて言ってしまったけれど、結婚してから陽菜の素敵なところをたくさん知って、どんどん好きになっていった。いま思えば、一目惚れだったんだと思う」
俊哉の言葉はまっすぐに陽菜に届いた。
「私も、俊哉さんのことが好きです。価値観も育ってきた環境も違うから戸惑うことも多かったですけど……いまは、俊哉さんのおおらかさや前向きなところにすごく救われている自分がいます」
「陽菜っ……!」
俊哉が感極まったように抱き締めてきた。
「ありがとう、愛してる」
顔を傾け、唇を重ねられる。俊哉との四度目のキスだった。いままでと違うのは、口のなかに俊哉の舌が侵入してきたことだ。
「んん……」
ぬるりとした熱い舌が、陽菜の口のなかを舐め回してくる。これまでの軽いキスとは全然違う欲のはらんだキスに、体が熱くなってくる。
俊哉のキスに応えることに夢中になっていると、唇を重ねたままそっとベッドに寝かされた。
「あ……」
パジャマのボタンが上からひとつずつ外されていく。ナイトブラはつけていないから、パジャマの下は素肌だ。
乳房があらわになり、恥ずかしくてたまらず、思わず両腕で隠してしまった。
「陽菜」
「あ、あの……私、こういうことするの、初めてで……」
緊張と羞恥で語尾が震えた。
「そうなんだ……優しくする」
俊哉は陽菜の真っ赤になった頬にちゅっと音を立ててキスしたあと、首筋に唇を滑らせた。
「あっ」
乳房を隠していた両腕を優しくとらわれ、頭の両脇に手を置かされる。
「すごく綺麗だ」
うっとりした顔で言って、俊哉が乳房の中心の突起に吸いついた。
「あ、そんな」
ピリッとした快感が走り、陽菜は背中をのけぞらせた。
乳首を舌で転がされ、恥ずかしいのに気持ちがよくて変な声が出そうになる。
「んん……」
「気持ちいい?」
そんなこと聞かないでほしくて、陽菜は首を横に振る。
「気持ちよくない?」
口での愛撫を続けながら、もう片方の乳房を手ですくいあげるようにされる。もう見ていられなくて、陽菜は固く目をつぶった。
それでも抵抗はせずにいたら、俊哉は時間をかけて陽菜の全身を丁寧に愛撫してきた。
俊哉の手は硬くて大きく、自分の手とは全然違う感触がした。その手に体じゅうを愛され、下着を取り払われた頃には陽菜はもうわけがわからなくなっていた。
「可愛い、もっと感じてくれ」
優しく脚を開かされ、体のなかで一番敏感なところに触れられる。
「あっ……!」
それまでとは比べ物にならないくらい強い刺激に、全身がビクンと震える。
自分の口から出ているとは信じられないくらい甘ったるい喘ぎ声が、部屋に響く。
全身からぶわっと汗が吹き出し、目からは涙まで出てきた。
取り繕う余裕なんて一ミリもなくて、きっとひどい顔をしているだろうに、俊哉はそんな陽菜が愛おしくてたまらないというように目を細めている。
初めての快楽に翻弄されて全身汗だくになった頃、俊哉は自分も裸になってゆっくりと体を繋げてきた。
「んっ……」
覚悟していたほど痛くはなかったが、異物感と圧迫感はすごい。
「つらくない?」
「だい、じょうぶです」
陽菜はふうふうと荒い息を吐いた。
俊哉が額にべったりと張り付いた前髪を分けてくれる。
ほんの少しだけ慣れてきて俊哉の顔を見上げると、彼の額にも汗が滲んでいた。それを見て、俊哉と繋がることができた実感と喜びがじんわりと湧いてきた。
「動いてみて大丈夫そう?」
「は、はい」
俊哉がゆるゆると腰を動かす。
動かれるとまた異物感が強くなったが、長くは続かなかった。俊哉は陽菜がつらくないか確かめるようにじっと観察してくる。
つらくはないが、おとなしく耐えていることもできず、陽菜は俊哉の背中にしがみついた。
「陽菜、愛してる」
腰を動かしながら俊哉が唇を重ねてきた。
息が苦しくなって、陽菜は俊哉の背中に爪を立てた。
汗まみれの素肌が密着する感じが気持ちいい。口のなかを舐められるのが気持ちいい。そして力強く体の中心を動かれるのもだんだんと気持ちよくなってきた。
「陽菜っ」
ふいに、陽菜を抱く俊哉の腕の力が強くなった。それから少しして俊哉は表情をゆがめて腰の動きを止めた。
脱力した俊哉の体重が陽菜にのしかかる。
ずっしりと重い。でもそれは、幸せな重みだった。
その晩俊哉は午後十一時過ぎにお酒の匂いをさせて帰宅した。
俊哉が遅くなることはあらかじめわかっていたので、陽菜はもう夕食と入浴を済ませている。
「おかえりなさい」
ダイニングテーブルの上に広げていた公務員試験の参考書を閉じて立ち上がる。
「ただいま」
俊哉の顔が近づいてきたと思ったら、ちゅっと軽くキスされた。
ただいまのキスまでするなんてまったく思っていなかったので、驚いて立ち上がったばかりの椅子に座ってしまう。
「嫌だった?」
お酒が入っているせいだろうか。こちらを見てくる目が、いつもより熱っぽい。
「嫌……ではないですけど」
どういう受け止め方をすればいいのかわからなくて困惑してしまう。
「これじゃ、まるで本当の夫婦みたいです」
「俺と陽菜は本物の婚姻届けを役所に出した関係なんだけど」
「それはそうですが」
愛情のない割り切った関係なのではなかったのか。
最近の俊哉の態度は甘く、まるで陽菜のことを愛しているかのようだ。
「正直に言おう」
俊哉が真顔になってじっと目を見てきた。
「陽菜に触れたくて我慢できない」
「えっ……」
ストレートに言われ、陽菜は言葉を失った。
触れたいというのがどういう意味かは、男性経験のない陽菜にだってさすがにわかる。
「旅行の二泊目、キスしたあと隣のベッドで寝たときは頭がどうにかなりそうだった。結局朝までほとんど眠れなかった」
言われてみれば昨日の朝、俊哉はいつにもましてものすごく眠たそうだった。
「入浴後に部屋に行く。無理だと思ったら、拒絶してくれ。無理強いはしたくない。部屋の鍵をかけてくれればいい。そうしたら、いままでのようにただの同居人に戻る」
陽菜の返事を待たずに、俊哉は脱衣所へ消えていった。
参考書を片付け、陽菜は自分の部屋に戻った。
ベッドの上で膝を抱えて座り、俊哉と出会ってからいままでのことを考える。
突然プロポーズされたときは、なんてひとだろうと思った。でも一緒に暮らしてみると俊哉はいつも陽菜を気遣ってくれた。
たとえ愛情がなくても同居人としてなら上手くやっていけそうだと思った頃に、俊哉が突然花束を買って帰ってきたことがある。その辺りから、陽菜に対する俊哉の態度がだんだんと変わっていった。まるで普通の夫婦のように一緒に出掛けたりするようになった。
心の距離がさらにぐっと近くなったのは、やはり昨日帰ってきた北海道旅行だろう。
小学生と衝突しかけた陽菜のことを抱き締めて、俊哉は少し震えていた。それでこのひとは心の底から陽菜のことを心配しているのだと知れたし、そんな彼を愛おしく思った。
愛情のない結婚なんだからと自分の心を押さえつけていた重りがずれた。
たぶんふたりの愛情はいつのまにかグラスの縁ぎりぎりまで溜まっていて、ついに溢れ出したのがあの夜のキスだったのだと思う。
だからあんなにもしっくりきた。
陽菜が俊哉の友達の前から逃げ出したときのことも忘れられない。
『お願いだから、出て行かないでくれ』
その言葉には切実な響きがあり、陽菜は胸を打たれた。
ようやく自覚した。どうしてかはわからないが、俊哉は自分を好いてくれている。そして自分は俊哉のおおらかさやたまに覗く寂しさに惹かれている。
ガチャッと音がして、寝室の入り口のドアが開いた。
部屋の前に立っているのは、パジャマ姿の俊哉だ。自分でドアを開けておいて、ドアが開いたことに驚いた顔をしているのかおかしい。
「どうして……」
「どうぞ」
ドアの向こうに突っ立ったままの俊哉に痺れを切らして誘い入れる。
若干ためらいながらも俊哉が入ってきて、陽菜の隣に座った。
ふたり分の体重で、ベッドがギシリと音を立てる。
「私が鍵をかけなかったのは意外でしたか」
「そうだね……いや、そうでもない」
俊哉は体をぴったりとくっつけてきた。俊哉の体温をパジャマ越しに感じる。彼からは陽菜と同じシャンプーとボディソープの匂いがした。
「俺は女性からの好意に鈍感ではない方だと思うんだけど、陽菜に関しては正直確信が持てなかった」
「私は好きでもないひとと、いってらっしゃいのキスをしたりしません」
言ってから、改めて自分の気持ちに気づく。
そうだ。自分は俊哉に愛情を持っている。なかなか認められなかったけれど、それは紛れもない事実だった。
肩がずしっと重くなる。俊哉が腕を回してきた。
「陽菜……」
俊哉の顔を近づいてきそうになるのを、手で押さえる。
このままなし崩しでことに及ぶのではなく、もう少し話がしたかった。
「うん?」
「俊哉さんは、どうして私としたいって思うんですか」
「それは……ごめん、ちゃんと言ってなかったな」
俊哉は陽菜と向かい合って正座した。
「改めて言う。陽菜のことが好きだ。プロポーズしたときは『愛情はない』なんて言ってしまったけれど、結婚してから陽菜の素敵なところをたくさん知って、どんどん好きになっていった。いま思えば、一目惚れだったんだと思う」
俊哉の言葉はまっすぐに陽菜に届いた。
「私も、俊哉さんのことが好きです。価値観も育ってきた環境も違うから戸惑うことも多かったですけど……いまは、俊哉さんのおおらかさや前向きなところにすごく救われている自分がいます」
「陽菜っ……!」
俊哉が感極まったように抱き締めてきた。
「ありがとう、愛してる」
顔を傾け、唇を重ねられる。俊哉との四度目のキスだった。いままでと違うのは、口のなかに俊哉の舌が侵入してきたことだ。
「んん……」
ぬるりとした熱い舌が、陽菜の口のなかを舐め回してくる。これまでの軽いキスとは全然違う欲のはらんだキスに、体が熱くなってくる。
俊哉のキスに応えることに夢中になっていると、唇を重ねたままそっとベッドに寝かされた。
「あ……」
パジャマのボタンが上からひとつずつ外されていく。ナイトブラはつけていないから、パジャマの下は素肌だ。
乳房があらわになり、恥ずかしくてたまらず、思わず両腕で隠してしまった。
「陽菜」
「あ、あの……私、こういうことするの、初めてで……」
緊張と羞恥で語尾が震えた。
「そうなんだ……優しくする」
俊哉は陽菜の真っ赤になった頬にちゅっと音を立ててキスしたあと、首筋に唇を滑らせた。
「あっ」
乳房を隠していた両腕を優しくとらわれ、頭の両脇に手を置かされる。
「すごく綺麗だ」
うっとりした顔で言って、俊哉が乳房の中心の突起に吸いついた。
「あ、そんな」
ピリッとした快感が走り、陽菜は背中をのけぞらせた。
乳首を舌で転がされ、恥ずかしいのに気持ちがよくて変な声が出そうになる。
「んん……」
「気持ちいい?」
そんなこと聞かないでほしくて、陽菜は首を横に振る。
「気持ちよくない?」
口での愛撫を続けながら、もう片方の乳房を手ですくいあげるようにされる。もう見ていられなくて、陽菜は固く目をつぶった。
それでも抵抗はせずにいたら、俊哉は時間をかけて陽菜の全身を丁寧に愛撫してきた。
俊哉の手は硬くて大きく、自分の手とは全然違う感触がした。その手に体じゅうを愛され、下着を取り払われた頃には陽菜はもうわけがわからなくなっていた。
「可愛い、もっと感じてくれ」
優しく脚を開かされ、体のなかで一番敏感なところに触れられる。
「あっ……!」
それまでとは比べ物にならないくらい強い刺激に、全身がビクンと震える。
自分の口から出ているとは信じられないくらい甘ったるい喘ぎ声が、部屋に響く。
全身からぶわっと汗が吹き出し、目からは涙まで出てきた。
取り繕う余裕なんて一ミリもなくて、きっとひどい顔をしているだろうに、俊哉はそんな陽菜が愛おしくてたまらないというように目を細めている。
初めての快楽に翻弄されて全身汗だくになった頃、俊哉は自分も裸になってゆっくりと体を繋げてきた。
「んっ……」
覚悟していたほど痛くはなかったが、異物感と圧迫感はすごい。
「つらくない?」
「だい、じょうぶです」
陽菜はふうふうと荒い息を吐いた。
俊哉が額にべったりと張り付いた前髪を分けてくれる。
ほんの少しだけ慣れてきて俊哉の顔を見上げると、彼の額にも汗が滲んでいた。それを見て、俊哉と繋がることができた実感と喜びがじんわりと湧いてきた。
「動いてみて大丈夫そう?」
「は、はい」
俊哉がゆるゆると腰を動かす。
動かれるとまた異物感が強くなったが、長くは続かなかった。俊哉は陽菜がつらくないか確かめるようにじっと観察してくる。
つらくはないが、おとなしく耐えていることもできず、陽菜は俊哉の背中にしがみついた。
「陽菜、愛してる」
腰を動かしながら俊哉が唇を重ねてきた。
息が苦しくなって、陽菜は俊哉の背中に爪を立てた。
汗まみれの素肌が密着する感じが気持ちいい。口のなかを舐められるのが気持ちいい。そして力強く体の中心を動かれるのもだんだんと気持ちよくなってきた。
「陽菜っ」
ふいに、陽菜を抱く俊哉の腕の力が強くなった。それから少しして俊哉は表情をゆがめて腰の動きを止めた。
脱力した俊哉の体重が陽菜にのしかかる。
ずっしりと重い。でもそれは、幸せな重みだった。