妹に虐げられて魔法が使えない無能王女は、政略結婚でお飾り王太子妃になるはずなのに俺様王太子に溺愛されています
 ルフェーヌはファイルを読み終え、静かにデスクへ置く。部屋は薄暗くなっていた。
 「ディエゴ様は初めからわたしと婚約するつもりだったの?」
 ルフェーヌはこんな事をしてまで自分と婚約したかったという事実が受け入れがたい。
 ディエゴの真っ直ぐな気持ちが伝わってきて嬉しい気持ちもあるが、疑問が湧いてしまう。
 なぜ政略結婚の条件を「お飾り」としたのだろう。
 ルフェーヌはディエゴの言動に違和感を覚え、緩んだ蓋を開けられず内容物であるルフェーヌの心が出てこられない。
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