部長と私の秘め事
「ちかれたー」
私は尊さんのマンションに着くなり、ソファにダイブする。
「こら、コート脱がないと皺になるぞ」
尊さんがコート越しにお尻をポンと叩いてきたので、とっさにお尻を押さえて体をひねる。
「……じゃ、じゃあ、……脱がせて」
我ながら微妙な言い方をすると、意図を察してか尊さんは悪い顔で笑った。
「分かった。文句言うなよ?」
言ったあと、尊さんは私のマフラーを外し、丁寧に畳んでソファの背に置く。
それから黒いチェスターコートも脱がせ、ハンガーに掛けてマフラーと一緒にハンガースタンドに掛けた。
「さて……」
振り向いた彼は、ネクタイの結び目を緩めながら、ゆったりとした足取りで歩み寄ってくる。えっっっっっ………………ちだ。
「猫って尻を叩くと喜ぶよな」
尊さんはやにわにそう言うと、私のお尻をポンポンポンポンポンポンポンポン……と叩いてきた。
「にゃ、にゃあああ……」
ついノッてしまった私は、お尻を上げてプリプリと振る。
「おー、可愛い可愛い」
尊さんは私のお尻をポンポン叩きながら、顎の下をサワサワとくすぐってくる。
「う、うううう……」
完全に猫扱い……!
「吸ってみようかな」
尊さんはそう言ったかと思うと、私の体をコロンと仰向けにひっくり返し、お腹に顔を埋めてきた。
「ちょっ、お腹っ、お腹はナシ!!」
慌てて彼の頭を押すけれど、お姫様抱っこする時みたいに背中と膝の裏に手を回され、逃げられない。
彼は私のお腹にグリグリと顔を押しつけ、スゥゥゥゥ……、ハァァァァ……と深呼吸する。
「やべぇ……。いい匂い。ハマる、これ」
「恥ずかしい! へたにエッチな事されるより恥ずかしい!」
お腹に熱い吐息が掛かり、私は脚をジタバタさせて悶える。
やがて息が続かなくなった尊さんが、バッと顔を上げ、少し火照った顔で私を見る。
じー……と見つめてくるので恥ずかしくなり、私は照れ隠しに少し彼を睨みつつ「な、……なに……」とうなる。
尊さんはしばらくそのまま私を見つめ続けた。
「う……、ううう……」
何せこの男、無駄に顔がいい。
睫毛は私より濃くて長いし、ちょっと愁いを帯びた眼差しに見つめられると、ドキドキして堪らない。
スッと通った鼻に、形のいい唇を見ていると……、このままキスされるのかな? なんて思ってしまう。
(……あ。ネクタイ解いたから、喉仏見える)
ポコンと出たそこが、微かに上下したのをポーッと見つめていると、尊さんの顔が近づきキスをされた。
「ん……っ、……ぅ、……ん」
ちゅ、ちゅ、と音を立てて唇を何度もついばまれ、全身の熱が上がっていく。
尊さんが少し顔を離した時、私は思わず目を開けて彼を見上げる。
すると彼はスーツのジャケットを脱いでシャツの一番上のボタンを外し、私を熱の籠もった目で見つめながらペロリと舌なめずりをしたところだった。
(なになになになに、この色気の権化!)
「……やべ。スイッチ入ったかも」
尊さんは、はぁっ……と溜め息をついたあと、再び私に覆い被さって今度はもっと深いキスをしてきた。
「んぅ、……ん、……ン」
柔らかく温かい舌に口内を探られ、私はうわずった声を漏らす。
ニットの裾から尊さんの節くれ立った大きな手が侵入し、キャミソールも捲ったあと、背中に回ってプツンとブラのホックを外す。
胸元が自由になったのを感じた時、私は艶冶な吐息をついて彼の髪を撫でた。
(えっと……、今何時? 明日、何時に約束してたっけ……)
そう思ってリビングの壁時計を見ようとしたけれど、尊さんは私の顎を掴むとグイと正面を向かせ、目を眇めて睨んでくる。
「他の事、考えんな」
彼は噛み付くようなキスをし、私の脚を広げると脛の辺りから手を滑らせ、スカートを捲り上げてきた。
ストッキングの感触を楽しむように掌を擦らせ、ストッキングのウエストゴムに指を引っかけると、クルクルと丸めながら脱がせてくる。
(……ま、待って? 始まっちゃう?)
シャワーとか、今何時とか、色んな事を考えないといけないはずなのに、柔らかな舌の感触を味わい、唇をついばまれていると、次第に頭がボーッとしてくる。
尊さんはすぐにストッキングを脱がし、私の太腿をスベスベと撫でた。
「抱きたい」
彼は私を見つめて、これ以上ないストレートな言葉を口にする。
「……押し倒してストッキング脱がせて、キスしておきながら言う言葉ですか?」
「じゃあ、いい?」
彼は私の手をとり、上目遣いに見つめながらチュッと手の甲にキスをしてきた。
(~~~~っ、こういう事、サラッとやるもんなぁ!)
「……どうしてもというなら、シャワー後に応じます」
「じゃあ、一緒に入りませんか?」
尊さんは私の手を握ったまま、再度手の甲に唇を近づける。
「は……、入って差し上げても宜しくってよ!」
照れ臭くて、ついなんちゃってお嬢様になってしまった。
「では、お嬢様。参りましょう」
私のお嬢様ネタにノッた尊さんは、ニヤッと笑ったかと思うと私を姫抱っこして立ちあがった。
「ちょ……っ、今の悪い顔、執事じゃない。悪役だ」
「お嬢様をさらう悪役御曹司でもいいんじゃないか?」
「当て馬?」
「そのまま、お嬢様が調教されて快楽堕ちするパターンもあるだろ」
「どこのエロ漫画!」
バシッと彼の胸板を叩いた時、ストンと洗面所に下ろされた。
「『月刊速水』じゃ駄目?」
彼はふざけたまま、両手を洗面台について私を腕の中に閉じ込めてくる。
「……やらしくない雑誌名だから却下」
「『尊先生の教えてあ・げ・る』」
「ぶふぉおっ!」
私は噴きだしてその場に崩れ落ち、肩を震わせて爆笑する。
「いやー……」
私はしゃがんだまま尊さんを見上げ、彼が眼鏡を掛けて教鞭をとっている姿を想像する。
「……アリかも……」
ボソッと呟いた私を見て、尊さんはクスクス笑う。
「どんな想像してるんだよ。スケベ」
「なにを~! 尊さんなんてドスケベのくせに!」
「ほう……」
言い返しただけなんだけど、ドスケベと言われて尊さんはニヤリと笑った。
う……っ、これは今までになく悪い笑みだ。
「俺はドスケベだから、明日元彼に会う朱里をグチャグチャに抱くつもりでいるからな」
言われて、明日昭人と会うのだと思いだし、ちょっとだけ気持ちが沈んでしまう。
すると私の表情を見て、尊さんはしゃがんで目を合わせて微笑んできた。
「気持ちは分かる。でも側にいるから一緒に乗り越えよう。ちゃんと解決して、前に進むんだ」
「……はい!」
側に好きな人がいると思うだけで、こんなにも勇気が湧いてくる。
(好きだなぁ……)
しみじみと思った私は、尊さんに抱きつきしばらくそのぬくもりを堪能した。
……と、尊さんがポンと私のお尻を叩いてきた。
「さて、猫洗いするか」
目の前で彼が悪戯っぽく笑ったので、私は赤面してジロリと睨みつつ、「にゃあ……」と鳴いてみせた。
私は尊さんのマンションに着くなり、ソファにダイブする。
「こら、コート脱がないと皺になるぞ」
尊さんがコート越しにお尻をポンと叩いてきたので、とっさにお尻を押さえて体をひねる。
「……じゃ、じゃあ、……脱がせて」
我ながら微妙な言い方をすると、意図を察してか尊さんは悪い顔で笑った。
「分かった。文句言うなよ?」
言ったあと、尊さんは私のマフラーを外し、丁寧に畳んでソファの背に置く。
それから黒いチェスターコートも脱がせ、ハンガーに掛けてマフラーと一緒にハンガースタンドに掛けた。
「さて……」
振り向いた彼は、ネクタイの結び目を緩めながら、ゆったりとした足取りで歩み寄ってくる。えっっっっっ………………ちだ。
「猫って尻を叩くと喜ぶよな」
尊さんはやにわにそう言うと、私のお尻をポンポンポンポンポンポンポンポン……と叩いてきた。
「にゃ、にゃあああ……」
ついノッてしまった私は、お尻を上げてプリプリと振る。
「おー、可愛い可愛い」
尊さんは私のお尻をポンポン叩きながら、顎の下をサワサワとくすぐってくる。
「う、うううう……」
完全に猫扱い……!
「吸ってみようかな」
尊さんはそう言ったかと思うと、私の体をコロンと仰向けにひっくり返し、お腹に顔を埋めてきた。
「ちょっ、お腹っ、お腹はナシ!!」
慌てて彼の頭を押すけれど、お姫様抱っこする時みたいに背中と膝の裏に手を回され、逃げられない。
彼は私のお腹にグリグリと顔を押しつけ、スゥゥゥゥ……、ハァァァァ……と深呼吸する。
「やべぇ……。いい匂い。ハマる、これ」
「恥ずかしい! へたにエッチな事されるより恥ずかしい!」
お腹に熱い吐息が掛かり、私は脚をジタバタさせて悶える。
やがて息が続かなくなった尊さんが、バッと顔を上げ、少し火照った顔で私を見る。
じー……と見つめてくるので恥ずかしくなり、私は照れ隠しに少し彼を睨みつつ「な、……なに……」とうなる。
尊さんはしばらくそのまま私を見つめ続けた。
「う……、ううう……」
何せこの男、無駄に顔がいい。
睫毛は私より濃くて長いし、ちょっと愁いを帯びた眼差しに見つめられると、ドキドキして堪らない。
スッと通った鼻に、形のいい唇を見ていると……、このままキスされるのかな? なんて思ってしまう。
(……あ。ネクタイ解いたから、喉仏見える)
ポコンと出たそこが、微かに上下したのをポーッと見つめていると、尊さんの顔が近づきキスをされた。
「ん……っ、……ぅ、……ん」
ちゅ、ちゅ、と音を立てて唇を何度もついばまれ、全身の熱が上がっていく。
尊さんが少し顔を離した時、私は思わず目を開けて彼を見上げる。
すると彼はスーツのジャケットを脱いでシャツの一番上のボタンを外し、私を熱の籠もった目で見つめながらペロリと舌なめずりをしたところだった。
(なになになになに、この色気の権化!)
「……やべ。スイッチ入ったかも」
尊さんは、はぁっ……と溜め息をついたあと、再び私に覆い被さって今度はもっと深いキスをしてきた。
「んぅ、……ん、……ン」
柔らかく温かい舌に口内を探られ、私はうわずった声を漏らす。
ニットの裾から尊さんの節くれ立った大きな手が侵入し、キャミソールも捲ったあと、背中に回ってプツンとブラのホックを外す。
胸元が自由になったのを感じた時、私は艶冶な吐息をついて彼の髪を撫でた。
(えっと……、今何時? 明日、何時に約束してたっけ……)
そう思ってリビングの壁時計を見ようとしたけれど、尊さんは私の顎を掴むとグイと正面を向かせ、目を眇めて睨んでくる。
「他の事、考えんな」
彼は噛み付くようなキスをし、私の脚を広げると脛の辺りから手を滑らせ、スカートを捲り上げてきた。
ストッキングの感触を楽しむように掌を擦らせ、ストッキングのウエストゴムに指を引っかけると、クルクルと丸めながら脱がせてくる。
(……ま、待って? 始まっちゃう?)
シャワーとか、今何時とか、色んな事を考えないといけないはずなのに、柔らかな舌の感触を味わい、唇をついばまれていると、次第に頭がボーッとしてくる。
尊さんはすぐにストッキングを脱がし、私の太腿をスベスベと撫でた。
「抱きたい」
彼は私を見つめて、これ以上ないストレートな言葉を口にする。
「……押し倒してストッキング脱がせて、キスしておきながら言う言葉ですか?」
「じゃあ、いい?」
彼は私の手をとり、上目遣いに見つめながらチュッと手の甲にキスをしてきた。
(~~~~っ、こういう事、サラッとやるもんなぁ!)
「……どうしてもというなら、シャワー後に応じます」
「じゃあ、一緒に入りませんか?」
尊さんは私の手を握ったまま、再度手の甲に唇を近づける。
「は……、入って差し上げても宜しくってよ!」
照れ臭くて、ついなんちゃってお嬢様になってしまった。
「では、お嬢様。参りましょう」
私のお嬢様ネタにノッた尊さんは、ニヤッと笑ったかと思うと私を姫抱っこして立ちあがった。
「ちょ……っ、今の悪い顔、執事じゃない。悪役だ」
「お嬢様をさらう悪役御曹司でもいいんじゃないか?」
「当て馬?」
「そのまま、お嬢様が調教されて快楽堕ちするパターンもあるだろ」
「どこのエロ漫画!」
バシッと彼の胸板を叩いた時、ストンと洗面所に下ろされた。
「『月刊速水』じゃ駄目?」
彼はふざけたまま、両手を洗面台について私を腕の中に閉じ込めてくる。
「……やらしくない雑誌名だから却下」
「『尊先生の教えてあ・げ・る』」
「ぶふぉおっ!」
私は噴きだしてその場に崩れ落ち、肩を震わせて爆笑する。
「いやー……」
私はしゃがんだまま尊さんを見上げ、彼が眼鏡を掛けて教鞭をとっている姿を想像する。
「……アリかも……」
ボソッと呟いた私を見て、尊さんはクスクス笑う。
「どんな想像してるんだよ。スケベ」
「なにを~! 尊さんなんてドスケベのくせに!」
「ほう……」
言い返しただけなんだけど、ドスケベと言われて尊さんはニヤリと笑った。
う……っ、これは今までになく悪い笑みだ。
「俺はドスケベだから、明日元彼に会う朱里をグチャグチャに抱くつもりでいるからな」
言われて、明日昭人と会うのだと思いだし、ちょっとだけ気持ちが沈んでしまう。
すると私の表情を見て、尊さんはしゃがんで目を合わせて微笑んできた。
「気持ちは分かる。でも側にいるから一緒に乗り越えよう。ちゃんと解決して、前に進むんだ」
「……はい!」
側に好きな人がいると思うだけで、こんなにも勇気が湧いてくる。
(好きだなぁ……)
しみじみと思った私は、尊さんに抱きつきしばらくそのぬくもりを堪能した。
……と、尊さんがポンと私のお尻を叩いてきた。
「さて、猫洗いするか」
目の前で彼が悪戯っぽく笑ったので、私は赤面してジロリと睨みつつ、「にゃあ……」と鳴いてみせた。