部長と私の秘め事
濡れた目で部長を見つめると、彼は目を細めて意地悪に笑った。
「欲しいか?」
「――――っ、ほし……っ、ぃ、ですっ」
お腹の奥が熱くて、「ほしい」しか考えられない。
今自分がどれだけ物欲しそうな顔をしているのか想像できず、ただ「気持ち良くなりたい」しか考えられない。
答えた瞬間、部長の指が応えた。
「んぅっ!」
「熱いな……」
いやらしい事を言われ、恥ずかしくて堪らない。
なのに部長が相手だと嫌悪感はなく、快楽を加速させるエッセンスとなって私を酩酊させる。
――もっと暴いてほしい。
――もっといやらしい事をしてほしい。
ねだるように腰を揺らすと、部長が尋ねてきた。
「セックスはいつぶりだ?」
「二年前の、クリスマ、ス、に、――手で、してあげただけっ」
「へぇ」
指で愛撫される感覚に陶酔した私は、部長が目を細めて薄く笑ったのに気づかなかった。
「じゃあ、コレを入れられたのは?」
不意に部長が私の手をとり、熱くて硬いモノを握らせてきた。
「やっ……」
私はびっくりして目を開き、引き締まったお腹の下で存在を誇示しているモノを凝視する。
「元彼とはいつした?」
彼はさらに指で私を攻め、目の奥に熱を宿しながらも淡々と尋ねる。
行為ではとてもいやらしい事をしているのに、態度はとても冷静なのが悔しい。……けれど、興奮する。
「……知らない。……もう、ずっとしてないもの」
答えると、まるでご褒美を与えられるようにさらなる刺激を与えられた。
「もっと……っ、ぶちょ……っ」
私は粘ついた声で求めたけれど、彼は興ざめしたように溜め息をついた。
「……こういう時まで部長って呼ばれるのは萎えるな。名前で呼べ。――朱里」
「――――ひぅっ」
低い声が耳朶をくすぐり、私の名前を呼ぶ。
それだけで、私はお腹に思いきり力を込めた。
「ァ……、みこ……と、さんっ」
私がうっとりと部長の名前を呼ぶと、彼はチュッと私の額にキスをした。
「一回達け。朱里のイキ顔が見たい」
そこからは地獄のような快楽が続き、バスルームに淫靡な音が響く。
「やぁっ、達く――、イッちゃ……っ」
「――朱里、俺の指を覚えて達け」
また低い声が耳元で命令してくる。
――と思うと、ぐちゅりと舌で耳孔を犯された。
「あーっ!」
私は高い声を上げ、部長の腕に爪を立てて――、人生初めて、男性に達かされてしまった。
尊さんは脱力した私を支えて湯船に浸かり、「小さいな……」と言いながら温まる。
まるで恋人のように扱われ、もしかしたら愛撫されている時より恥ずかしいかもしれない。
「……達けるなんて思いませんでした」
顔が見ていないからか、照れくさくても少し素直に話せた。
「だろ? 元彼が単に下手なだけなんだよ」
私はその言葉に、何も言い返せなかった。
尊さんとこういう関係になる前なら、昭人を悪く言われてムッとしたかもしれない。
けど分からされた今、彼のほうが正しいのだと実感した。
(……こんなに気持ちいい事を知らなかったなんて……)
――昭人とのセックスは何だったんだろう?
――相手が変わるだけで、エッチってこんなにも違うものなの?
そう思うと、不思議でならない。
「……お前、もしかして元彼一人としか付き合ってないのか?」
「……悪いですか」
図星だったので、私はブスッとして答える。
「……いや。遊んでないなら他の男を知らなくて当然だけど、……もったいねぇな」
しみじみと言われて、何だか情けなくなってくる。
「……どうせ『結婚秒読み』って言われてたのにフラれましたよ」
「自虐はやめろ」
ポン、と頭に手を乗せられ、私は溜め息をつく。
「元サヤに戻れないなら自分の人生を楽しむしかないだろ。結婚する奴をいつまで想ってる? 二十代なんてあっという間に終わるぞ。若いってだけで価値を感じる男は大勢いるんだから、遊んでおいてなんぼだろ」
「遊びたい訳じゃないです。私だけを愛してくれる人と、今度こそ幸せになりたいだけです」
「セックスが上手いだけの男じゃ駄目って事か」
尊さんは半笑いで言い、それを聞いた私は引っ掛かりを覚える。
(まるで『自分じゃ駄目か』って言ってるみたい)
今は大分酔いが醒めているので、「私の事が好きなんですか?」なんて、図々しくて聞けない。
「お前の好みの男ってどんな奴? 知らんけど元彼みたいな奴?」
「……優しい人がいいです。一緒にいて安らげて、些細な事で笑い合える人」
「一般的な答えだな。金がなくて仕事もできなくていいのか? セックスが下手でも、優しければいい?」
「……なんでそんなに突っかかるんですか」
ムスッとして言うと後ろから顎を掴まれ、グイッと彼のほうを向かされる。
「フワフワした事を考えて『優しくして。痛いセックスは嫌』なんて我が儘を言ってるからフラれるんだよ」
「――――どうしてそんな事を言われないといけないんですか」
さすがにムカついて言い返すと、胸を揉まれた。
「ん……っ」
ジンワリと気持ちよさが下腹部に伝わっていき、私は声を殺す。
「まずは大人のセックスを知ってから言え」
尊さんは目を細め、憎たらしい顔で笑う。
もっと優しい言い方をしてくれればいいのに、彼はわざとなのか素なのか、意地悪な事しか言わない。
――受けて立ってやる。
意地になった私は、挑むように彼を睨んで言った。
「じゃあ、大人のセックスを教えてくださいよ。そのあとに改めて、優しい人がいいか考えますから」
――彼の掌で転がされている。
分かっていたけど、もう引き返す事はできないと分かっていた。
「欲しいか?」
「――――っ、ほし……っ、ぃ、ですっ」
お腹の奥が熱くて、「ほしい」しか考えられない。
今自分がどれだけ物欲しそうな顔をしているのか想像できず、ただ「気持ち良くなりたい」しか考えられない。
答えた瞬間、部長の指が応えた。
「んぅっ!」
「熱いな……」
いやらしい事を言われ、恥ずかしくて堪らない。
なのに部長が相手だと嫌悪感はなく、快楽を加速させるエッセンスとなって私を酩酊させる。
――もっと暴いてほしい。
――もっといやらしい事をしてほしい。
ねだるように腰を揺らすと、部長が尋ねてきた。
「セックスはいつぶりだ?」
「二年前の、クリスマ、ス、に、――手で、してあげただけっ」
「へぇ」
指で愛撫される感覚に陶酔した私は、部長が目を細めて薄く笑ったのに気づかなかった。
「じゃあ、コレを入れられたのは?」
不意に部長が私の手をとり、熱くて硬いモノを握らせてきた。
「やっ……」
私はびっくりして目を開き、引き締まったお腹の下で存在を誇示しているモノを凝視する。
「元彼とはいつした?」
彼はさらに指で私を攻め、目の奥に熱を宿しながらも淡々と尋ねる。
行為ではとてもいやらしい事をしているのに、態度はとても冷静なのが悔しい。……けれど、興奮する。
「……知らない。……もう、ずっとしてないもの」
答えると、まるでご褒美を与えられるようにさらなる刺激を与えられた。
「もっと……っ、ぶちょ……っ」
私は粘ついた声で求めたけれど、彼は興ざめしたように溜め息をついた。
「……こういう時まで部長って呼ばれるのは萎えるな。名前で呼べ。――朱里」
「――――ひぅっ」
低い声が耳朶をくすぐり、私の名前を呼ぶ。
それだけで、私はお腹に思いきり力を込めた。
「ァ……、みこ……と、さんっ」
私がうっとりと部長の名前を呼ぶと、彼はチュッと私の額にキスをした。
「一回達け。朱里のイキ顔が見たい」
そこからは地獄のような快楽が続き、バスルームに淫靡な音が響く。
「やぁっ、達く――、イッちゃ……っ」
「――朱里、俺の指を覚えて達け」
また低い声が耳元で命令してくる。
――と思うと、ぐちゅりと舌で耳孔を犯された。
「あーっ!」
私は高い声を上げ、部長の腕に爪を立てて――、人生初めて、男性に達かされてしまった。
尊さんは脱力した私を支えて湯船に浸かり、「小さいな……」と言いながら温まる。
まるで恋人のように扱われ、もしかしたら愛撫されている時より恥ずかしいかもしれない。
「……達けるなんて思いませんでした」
顔が見ていないからか、照れくさくても少し素直に話せた。
「だろ? 元彼が単に下手なだけなんだよ」
私はその言葉に、何も言い返せなかった。
尊さんとこういう関係になる前なら、昭人を悪く言われてムッとしたかもしれない。
けど分からされた今、彼のほうが正しいのだと実感した。
(……こんなに気持ちいい事を知らなかったなんて……)
――昭人とのセックスは何だったんだろう?
――相手が変わるだけで、エッチってこんなにも違うものなの?
そう思うと、不思議でならない。
「……お前、もしかして元彼一人としか付き合ってないのか?」
「……悪いですか」
図星だったので、私はブスッとして答える。
「……いや。遊んでないなら他の男を知らなくて当然だけど、……もったいねぇな」
しみじみと言われて、何だか情けなくなってくる。
「……どうせ『結婚秒読み』って言われてたのにフラれましたよ」
「自虐はやめろ」
ポン、と頭に手を乗せられ、私は溜め息をつく。
「元サヤに戻れないなら自分の人生を楽しむしかないだろ。結婚する奴をいつまで想ってる? 二十代なんてあっという間に終わるぞ。若いってだけで価値を感じる男は大勢いるんだから、遊んでおいてなんぼだろ」
「遊びたい訳じゃないです。私だけを愛してくれる人と、今度こそ幸せになりたいだけです」
「セックスが上手いだけの男じゃ駄目って事か」
尊さんは半笑いで言い、それを聞いた私は引っ掛かりを覚える。
(まるで『自分じゃ駄目か』って言ってるみたい)
今は大分酔いが醒めているので、「私の事が好きなんですか?」なんて、図々しくて聞けない。
「お前の好みの男ってどんな奴? 知らんけど元彼みたいな奴?」
「……優しい人がいいです。一緒にいて安らげて、些細な事で笑い合える人」
「一般的な答えだな。金がなくて仕事もできなくていいのか? セックスが下手でも、優しければいい?」
「……なんでそんなに突っかかるんですか」
ムスッとして言うと後ろから顎を掴まれ、グイッと彼のほうを向かされる。
「フワフワした事を考えて『優しくして。痛いセックスは嫌』なんて我が儘を言ってるからフラれるんだよ」
「――――どうしてそんな事を言われないといけないんですか」
さすがにムカついて言い返すと、胸を揉まれた。
「ん……っ」
ジンワリと気持ちよさが下腹部に伝わっていき、私は声を殺す。
「まずは大人のセックスを知ってから言え」
尊さんは目を細め、憎たらしい顔で笑う。
もっと優しい言い方をしてくれればいいのに、彼はわざとなのか素なのか、意地悪な事しか言わない。
――受けて立ってやる。
意地になった私は、挑むように彼を睨んで言った。
「じゃあ、大人のセックスを教えてくださいよ。そのあとに改めて、優しい人がいいか考えますから」
――彼の掌で転がされている。
分かっていたけど、もう引き返す事はできないと分かっていた。