冷徹国王の愛娘は本好きの転生幼女~この世の本すべてをインプットできる特別な力で大好きなパパと国を救います!~2
ヨリックのおかげで、数学の授業は、のんびりと勉強できる前世の中学レベルにしてもらっている。レオンティーヌの思惑通りだ。もともと計算が大の苦手な上、まだ文字が上手に書けないので数字を書くのでも精いっぱいなのだが、その様子を見たアーベルは、レオンティーヌが一生懸命に考えて答えていると勘違いしてくれたようだ。
なので、このレベルが限界なのだと勘違いしてくれているのだ。
数字もうまく書けなくて、読めない字もあるが、レオンティーヌが必死で書いた式を、アーベルは「奇麗な式です」と褒めてくれる。
あまりの変わりっぷりに、よくある小説のように、中の人が変わったのではと、疑いたくなるほどだ。
その様子を、ヨリックが目を光らせて見ている。なぜかサミュエルも一緒に。これは授業見学というより、新任の先生の教育実習という感じだ。だが、これをテオドルスに知られてしまった。
今日の朝食時のことだ。にこにこ顔のテオドルスに、突如告げられる。
『今日は数学の授業を見に行くことにした。ヨリックも見に行っているようだし、いいだろう? 元気のいいレオンティーヌを期待しているよ』
(なんですって? 授業参観は子供にとって一大イベントなんです。心の準備が!)
あたふたしているレオンティーヌを置いて、ベルンハルトがお迎えに来るよりも早く、テオドルスは仕事に出かけたのだった。
おかげで行き違いになったベルンハルトにレオンティーヌが説明をする羽目になる。
「今日は、わたしの授業を見に来ると言って、早くにお仕事に出かけてしまいまちた」
理由を聞いたベルンハルトが頭を抱えている。
「もうすでに、陛下が言いそうな言葉がわかりましたよ。『早くから執務室で仕事をしていたのだから、途中の離席は許してくれ!』とか、絶対におっしゃられるのでしょうね……」
疲れ顔のベルンハルトは、まだ一日が始まったばかりだというのに、重い足取りで去っていった。
授業はさんざんだった。アーベルは国王を前に緊張してずっと手が震えているし、その恐れ多いはずの国王は、一生懸命に文字を書くレオンティーヌの姿が可愛いと、机の真横でしゃがむように覗き込み、ずっとにこにこしているのだ。
授業を邪魔するといつもなら怒るヨリックも、微笑ましく見守っているから、テオドルスはいつまでも真横にいる。
そのテオドルスを早く仕事に戻したいベルンハルトは、「陛下、そろそろよろしいですか?」と小声で囁くし……。一方でアーベルが〝いい先生〟になったことが嬉しいのか、サミュエルはまるで自分も生徒になったかのように手をあげて、「はい、わかりました」と返事をしている。
そんなごちゃごちゃ感満載の授業に、レオンティーヌが困っていると──。
「授業の邪魔をする者は去りなさい」
スーと音もなく開いた扉から、この豪華メンバーに一喝する人物が現れた。
乳母のオルガだ。彼女は口元にわずかに笑みを浮かべ、氷のように冷たい視線をテオドルス、ベルンハルト、ヨリック、サミュエルの順に向けてゆっくり頷いた。
ずっとレオンティーヌの母親代わりで育ててくれたオルガは、『母は強し』を体現しているような人物である。
そんな彼女に誰も反論できず、そそくさと四人は去っていく。そして見届けたオルガも最後にアーベルに頭を下げて、パタンと扉を閉めていった。
急に静かになった部屋に、レオンティーヌとアーベルがクスクスと笑い声を漏らしたのだった。
数日後の午前。中学一年生レベルの問題を解いていたら、アーベルが時計を見上げ、終わりを告げる。
「レオンティーヌ様、今日はここで終わりにいたしましょう」
「はい、アーベル教授。ありがとうごじゃいまちた」
この時机を片づけていたアーベルが、うっかり『図形と計量』と書かれた三角比に関する本を落とし、ページが開いてしまう。
百ページもない薄い本だったので、レオンティーヌの魔力にはほとんど影響することはなくインプットできた。また、アーベルには魔力もないようで、それに気づくこともない。
レオンティーヌがその本を拾いアーベルに手渡すと、アーベルが思いついたようにレオンティーヌに提案してきた。
「私は今から、サミュエル君の研究所に行く約束をしているのですが、レオンティーヌ様も一緒にいらっしゃいませんか?」
今日はもう何もすることがない。暇なレオンティーヌは二つ返事で誘いに乗った。
「行きたいでしゅ。でも、わたしが行ってもいいのでしゅか?」
「ええ、全然問題ございませんよ。少しお話をして帰るだけなので、もしよかったらその帰りに植物園か薬園を散策なさいますか?」
お散歩大好きレオンティーヌは、創薬研究所に隣接している広大な薬園と植物園を思い出し素直に喜んだ。
研究所に近づくと人が激しく出入りしていた。
(なんだろう。とっても嫌な予感がする)
レオンティーヌの予感は次の瞬間、確信に変わる。
「あれ? レオンティーヌ様、このような場所にいらして、どうなされたのですか?」
声をかけたのは、白い髪の毛で、赤い瞳の第五騎士団の最強団長のハイメ・ロペスだ。
「えっと……」
厄介ごとに巻き込まれそうな雰囲気満載の研究所からは離れた方がいい。逃げるために言葉を選んでいると、アーベルが先に口を開く。
「サミュエル君と研究所で会う約束をしていたのです。それで、レオンティーヌ様もお誘いしたのですよ」
「ああ、そうだったのですか。じゃあ、ちょうどよかった」
何がちょうどいいのだ?と、レオンティーヌはますます不審に思い、帰る理由を捜していると、ハイメはさっとレオンティーヌを抱っこして、急ぎ足で研究所に入っていってしまった。
もうこうなったら、とことん付き合うしかない。
「しょれで、ハイメしゃんはここにはどんな用事で来たのでしゅか?」
尋ねるとハイメは少し考える表情になった。
「私は陛下が外出されるので、護衛で来たのですが……レオンティーヌ様の護衛の方がいいな……」
話が逸れていることに気がついたハイメは、咳払いを一つして、話を元に戻した。
「また、黒いスライムが出たようです。しかし、小さな粒状ではなく大きな球体で現れたので被害はないのですが、いずれ分裂して以前のような被害が出そうなんです。その前になんとかしようと、陛下がサミュエル様と対策を練っているところです」
「前は火でぶわーっと燃やしぇたんだから、今度もしょれでいけるのではないのでしゅか?」
ハイメに抱っこされながら、尋ねると難しい顔をされた。
「直径二メートルほどの大きなスライムになっているのですが、見つけた者が火を近づけてみたが、全く変化がなかったそうです」
黒いスライムの話を聞いていたアーベルが、少し嬉しそうにつぶやいた。
「なるほど。それ以来サミュエル君は、黒いスライムの研究と麦の研究をしていたのか」
教え子の活躍を自慢したいようである。
サミュエルの研究所に入ると、すでにテオドルスがいて、サミュエルと研究員たちは作業をしている。
「しゃっき、ハイメしゃんから、今度の黒いスライムは火に強いと聞きまちた。あれほど炎に弱かったのに、本当なのでしゅか?」
火がダメなら打つ手なしで、さぞ困っているのではと思ったが、比較的サミュエルの顔は明るい。
「ええ、確かに炎はダメだったようです。黒いスライムの研究をしてわかったことなのですが、あれは核を持っていない原核生物の一種で、分裂と呼ばれる無性生殖によって増殖するんです。今回見つかったのは分裂する直前ですね。原核生物の乾眠状態で、乾燥や高温に強いのですが、内部から乾燥させると一気に弱ってなくなります」
サミュエルの話は難しかったが、つまり熱や寒さに異様に強くなっているから、外から攻撃しても効かない。でも、乾燥剤的なものを内部に入れたら、黒いスライムは消滅するってことかな? 熱や寒さ、乾燥に強いって、クマムシとかイシクラゲみたいなものか?と、思っていたらサミュエルが『それでこれを作ってみたのですが……』と言いながら、何やら大きな筒のようなものを持ってきた。
乾燥させると聞いて、前世でよく見かけたお菓子の袋に入っている小さなサイズの乾燥剤を想像していたが、全く違った。
サミュエルが「試作段階のものですが」と言って見せてくれたのは、直径二〇センチの筒状で長さ一メートル二〇センチほどあるロケット型のものだった。サミュエルはそれを『除湿ロケット』と呼び、急いで作ったので二本しかないとのことだ。
その尖(とが)った先端は黒いスライムの内部にとどまり、先端にセットされた除湿剤が中の水分を吸収して、除湿ロケットの後部から液体となって流れ出し、黒スライムの中を乾燥させるという代物だった。
お菓子の乾燥剤のようなものではなく、押し入れに入れる除湿剤の強力版という感じに近い。
「今は大きくなって、飛ぶこともできないのか木の上でとどまっていると聞いています」
サミュエルが除湿ロケットをテオドルスに渡す。
「そこで、私の出番だな。弓でこれを飛ばし、黒いスライムの体に打ち込むのだ。さあ、行こう」
除湿ロケットを飛ばせるようにと改造されたかなり大きな弓を、テオドルスはもう片方の手で軽々と持ち上げた。
「近ければこのまま投げてもいいのだがね。距離がわからないから、一応持っていくとしよう」
「しゃしゅが、おとーしゃま。剣も得意だけど、弓も得意なんでしゅね」
剣を持つテオドルスもかっこいいが、弓を持った父は昔の武将の様でさらにいい。
武神のような父の活躍を想像したレオンティーヌがわくわくしながら言うと、テオドルスは状況が状況だけに、「そうだ」と重々しく言っただけだった。耳は赤かったけれど。
なので、このレベルが限界なのだと勘違いしてくれているのだ。
数字もうまく書けなくて、読めない字もあるが、レオンティーヌが必死で書いた式を、アーベルは「奇麗な式です」と褒めてくれる。
あまりの変わりっぷりに、よくある小説のように、中の人が変わったのではと、疑いたくなるほどだ。
その様子を、ヨリックが目を光らせて見ている。なぜかサミュエルも一緒に。これは授業見学というより、新任の先生の教育実習という感じだ。だが、これをテオドルスに知られてしまった。
今日の朝食時のことだ。にこにこ顔のテオドルスに、突如告げられる。
『今日は数学の授業を見に行くことにした。ヨリックも見に行っているようだし、いいだろう? 元気のいいレオンティーヌを期待しているよ』
(なんですって? 授業参観は子供にとって一大イベントなんです。心の準備が!)
あたふたしているレオンティーヌを置いて、ベルンハルトがお迎えに来るよりも早く、テオドルスは仕事に出かけたのだった。
おかげで行き違いになったベルンハルトにレオンティーヌが説明をする羽目になる。
「今日は、わたしの授業を見に来ると言って、早くにお仕事に出かけてしまいまちた」
理由を聞いたベルンハルトが頭を抱えている。
「もうすでに、陛下が言いそうな言葉がわかりましたよ。『早くから執務室で仕事をしていたのだから、途中の離席は許してくれ!』とか、絶対におっしゃられるのでしょうね……」
疲れ顔のベルンハルトは、まだ一日が始まったばかりだというのに、重い足取りで去っていった。
授業はさんざんだった。アーベルは国王を前に緊張してずっと手が震えているし、その恐れ多いはずの国王は、一生懸命に文字を書くレオンティーヌの姿が可愛いと、机の真横でしゃがむように覗き込み、ずっとにこにこしているのだ。
授業を邪魔するといつもなら怒るヨリックも、微笑ましく見守っているから、テオドルスはいつまでも真横にいる。
そのテオドルスを早く仕事に戻したいベルンハルトは、「陛下、そろそろよろしいですか?」と小声で囁くし……。一方でアーベルが〝いい先生〟になったことが嬉しいのか、サミュエルはまるで自分も生徒になったかのように手をあげて、「はい、わかりました」と返事をしている。
そんなごちゃごちゃ感満載の授業に、レオンティーヌが困っていると──。
「授業の邪魔をする者は去りなさい」
スーと音もなく開いた扉から、この豪華メンバーに一喝する人物が現れた。
乳母のオルガだ。彼女は口元にわずかに笑みを浮かべ、氷のように冷たい視線をテオドルス、ベルンハルト、ヨリック、サミュエルの順に向けてゆっくり頷いた。
ずっとレオンティーヌの母親代わりで育ててくれたオルガは、『母は強し』を体現しているような人物である。
そんな彼女に誰も反論できず、そそくさと四人は去っていく。そして見届けたオルガも最後にアーベルに頭を下げて、パタンと扉を閉めていった。
急に静かになった部屋に、レオンティーヌとアーベルがクスクスと笑い声を漏らしたのだった。
数日後の午前。中学一年生レベルの問題を解いていたら、アーベルが時計を見上げ、終わりを告げる。
「レオンティーヌ様、今日はここで終わりにいたしましょう」
「はい、アーベル教授。ありがとうごじゃいまちた」
この時机を片づけていたアーベルが、うっかり『図形と計量』と書かれた三角比に関する本を落とし、ページが開いてしまう。
百ページもない薄い本だったので、レオンティーヌの魔力にはほとんど影響することはなくインプットできた。また、アーベルには魔力もないようで、それに気づくこともない。
レオンティーヌがその本を拾いアーベルに手渡すと、アーベルが思いついたようにレオンティーヌに提案してきた。
「私は今から、サミュエル君の研究所に行く約束をしているのですが、レオンティーヌ様も一緒にいらっしゃいませんか?」
今日はもう何もすることがない。暇なレオンティーヌは二つ返事で誘いに乗った。
「行きたいでしゅ。でも、わたしが行ってもいいのでしゅか?」
「ええ、全然問題ございませんよ。少しお話をして帰るだけなので、もしよかったらその帰りに植物園か薬園を散策なさいますか?」
お散歩大好きレオンティーヌは、創薬研究所に隣接している広大な薬園と植物園を思い出し素直に喜んだ。
研究所に近づくと人が激しく出入りしていた。
(なんだろう。とっても嫌な予感がする)
レオンティーヌの予感は次の瞬間、確信に変わる。
「あれ? レオンティーヌ様、このような場所にいらして、どうなされたのですか?」
声をかけたのは、白い髪の毛で、赤い瞳の第五騎士団の最強団長のハイメ・ロペスだ。
「えっと……」
厄介ごとに巻き込まれそうな雰囲気満載の研究所からは離れた方がいい。逃げるために言葉を選んでいると、アーベルが先に口を開く。
「サミュエル君と研究所で会う約束をしていたのです。それで、レオンティーヌ様もお誘いしたのですよ」
「ああ、そうだったのですか。じゃあ、ちょうどよかった」
何がちょうどいいのだ?と、レオンティーヌはますます不審に思い、帰る理由を捜していると、ハイメはさっとレオンティーヌを抱っこして、急ぎ足で研究所に入っていってしまった。
もうこうなったら、とことん付き合うしかない。
「しょれで、ハイメしゃんはここにはどんな用事で来たのでしゅか?」
尋ねるとハイメは少し考える表情になった。
「私は陛下が外出されるので、護衛で来たのですが……レオンティーヌ様の護衛の方がいいな……」
話が逸れていることに気がついたハイメは、咳払いを一つして、話を元に戻した。
「また、黒いスライムが出たようです。しかし、小さな粒状ではなく大きな球体で現れたので被害はないのですが、いずれ分裂して以前のような被害が出そうなんです。その前になんとかしようと、陛下がサミュエル様と対策を練っているところです」
「前は火でぶわーっと燃やしぇたんだから、今度もしょれでいけるのではないのでしゅか?」
ハイメに抱っこされながら、尋ねると難しい顔をされた。
「直径二メートルほどの大きなスライムになっているのですが、見つけた者が火を近づけてみたが、全く変化がなかったそうです」
黒いスライムの話を聞いていたアーベルが、少し嬉しそうにつぶやいた。
「なるほど。それ以来サミュエル君は、黒いスライムの研究と麦の研究をしていたのか」
教え子の活躍を自慢したいようである。
サミュエルの研究所に入ると、すでにテオドルスがいて、サミュエルと研究員たちは作業をしている。
「しゃっき、ハイメしゃんから、今度の黒いスライムは火に強いと聞きまちた。あれほど炎に弱かったのに、本当なのでしゅか?」
火がダメなら打つ手なしで、さぞ困っているのではと思ったが、比較的サミュエルの顔は明るい。
「ええ、確かに炎はダメだったようです。黒いスライムの研究をしてわかったことなのですが、あれは核を持っていない原核生物の一種で、分裂と呼ばれる無性生殖によって増殖するんです。今回見つかったのは分裂する直前ですね。原核生物の乾眠状態で、乾燥や高温に強いのですが、内部から乾燥させると一気に弱ってなくなります」
サミュエルの話は難しかったが、つまり熱や寒さに異様に強くなっているから、外から攻撃しても効かない。でも、乾燥剤的なものを内部に入れたら、黒いスライムは消滅するってことかな? 熱や寒さ、乾燥に強いって、クマムシとかイシクラゲみたいなものか?と、思っていたらサミュエルが『それでこれを作ってみたのですが……』と言いながら、何やら大きな筒のようなものを持ってきた。
乾燥させると聞いて、前世でよく見かけたお菓子の袋に入っている小さなサイズの乾燥剤を想像していたが、全く違った。
サミュエルが「試作段階のものですが」と言って見せてくれたのは、直径二〇センチの筒状で長さ一メートル二〇センチほどあるロケット型のものだった。サミュエルはそれを『除湿ロケット』と呼び、急いで作ったので二本しかないとのことだ。
その尖(とが)った先端は黒いスライムの内部にとどまり、先端にセットされた除湿剤が中の水分を吸収して、除湿ロケットの後部から液体となって流れ出し、黒スライムの中を乾燥させるという代物だった。
お菓子の乾燥剤のようなものではなく、押し入れに入れる除湿剤の強力版という感じに近い。
「今は大きくなって、飛ぶこともできないのか木の上でとどまっていると聞いています」
サミュエルが除湿ロケットをテオドルスに渡す。
「そこで、私の出番だな。弓でこれを飛ばし、黒いスライムの体に打ち込むのだ。さあ、行こう」
除湿ロケットを飛ばせるようにと改造されたかなり大きな弓を、テオドルスはもう片方の手で軽々と持ち上げた。
「近ければこのまま投げてもいいのだがね。距離がわからないから、一応持っていくとしよう」
「しゃしゅが、おとーしゃま。剣も得意だけど、弓も得意なんでしゅね」
剣を持つテオドルスもかっこいいが、弓を持った父は昔の武将の様でさらにいい。
武神のような父の活躍を想像したレオンティーヌがわくわくしながら言うと、テオドルスは状況が状況だけに、「そうだ」と重々しく言っただけだった。耳は赤かったけれど。