これを恋と呼んでもいいですか?
三話
三話
〇帆高視点 回想
ここ数か月、特に忙しく自宅に帰るのは寝る為と荷物を取りにくるくらいしかなかった。
今まで雇った家事代行サービスや、家政婦などは帆高に好意を抱き、ストーカーになり警察沙汰にもなったことから
もう自分でやることにしたのだが、結果部屋の掃除をする余裕もなく、ホテルにいる方が多くなった。
〇帆高視点 現在 自室
帆高「今何時だ」
仮眠を終えた帆高はベッドから起き上がる。
自室にはベッドと本棚、それから勉強用のデスクしか置いていない。
観葉植物も以前は置いていたが、自宅に帰らない日々が多くなると水やりなどが出来なくなるため、今はない。
〇帆高視点 回想
突然、友人の向上拓哉が家政婦を紹介するといったのは少し前のことだ。
電話がかかってきた。
向上『俺の知り合いに仕事を探している人がいてね。素性は問題ないし、よかったら紹介するよ』
帆高『紹介?今は探していない』
向上『まぁまぁ。一回会ってみてよ。あー、でも住み込みが希望なんだ。そこもオッケー?』
帆高『どっちも無理だ』
断ったものの、電話をしながら見渡す部屋を見て家事代行か家政婦はどのみち利用せざるを得ないと思った。
内心、溜息を溢しながらその日はそのまま仕事へ向かった。
〇帆高視点 現在
向上から『明日、そっち行くけど予定どう?この間話した紹介したい家政婦さん連れていくよ』と突如電話が来て、
向上の強引さに押されるままに当日を迎えていた。
まさか現役の女子大生で、かつ、わけアリの貧乏学生だったことを事前に知らされていたら
絶対に来るなと言っていたと帆高は思っていた。
女性が嫌いだった帆高の性格を知り尽くしていたはずの向上が若い女性を連れてきたことに驚きと、どういうつもりなんだという怒りに似た感情があったが、初めて会った聖は”訳あり”というだけあって荷物は一つだけ、黒髪のセミロングの髪を適当に結っただけの髪型、年頃の女の子だというのにメイクの一つもしない、今どきとはかけ離れた印象に残った。
帆高(素朴というか、よく言えば純粋そうだが…)
しかし、そのような見た目とは裏腹に自分を雇ってほしいと目を向ける聖の目は芯のある強さを感じるものだった。
力強く、ぶれないそれはたまに見る目だが、こんな若くてまだ学生の聖から向けられるとは思っていなかった。
〇帆高視点 寝室
帆高「…何時だ?」
今何時だろうと体を起こした。
自室で仮眠を取っていた。
帆高「…五時か。結構寝たな」
まだ怠い体を引きずるようにベッドから出る。
リビングルームに向かう。
すると、部屋からいい香りがする。
帆高(あぁ、夕飯でも作ったのか)
すぐに聖の顔が浮かぶ。人が家にいることは普段であれば、絶対に嫌なのだが
あの子であれば無害だという勘のようなものがあった。
しかし、リビングルームのダイニングテーブル付近に目をやると、帆高の足が強制的に止まる。
帆高「……どうした?」
聖「いや、何でもないです」
帆高「何でもないわけないだろ。なんで泣いてんだよ」
聖「泣いてないです」
帆高(何故泣いているんだ。俺が何かしただろうか)
今にも壊れそうに肩を震わせる聖に、帆高は感情を揺さぶられる。
帆高「泣いてる。目も真っ赤だ」
聖「……」
帆高「俺の言い方が悪かったか?
聖「そ、そんなわけないです!…祖母と一緒にご飯を食べていたことを思い出しただけです。ホームシックですよ、ただの」
強がっているのはわかっていた。
帆高(俺がいなければ泣き続けていたのかもしれない)
帆高は自分でも驚く行動をする。聖と一緒に食事を取ることを躊躇なく選択した。キッチンに行くと、丁寧に作られたであろう
和食中心の料理を更に盛り付ける。
それをテーブルに並べる。
帆高「部屋も十分すぎるくらいに掃除がされている。ありがとう。俺の分の料理もあるみたいだから一緒に食べよう」
聖「…え、でも、」
帆高「いただきます」
初めて他人の作ったものを食べたかもしれない、と帆高は思った。
驚く聖の顔が徐々に解れていくのを見て安堵していた。
帆高(何故、今…ほっとしたんだ?)
聖が笑顔を見せると安堵した。その理由がわからずに、帆高はモヤモヤしていた。
〇帆高視点 回想
ここ数か月、特に忙しく自宅に帰るのは寝る為と荷物を取りにくるくらいしかなかった。
今まで雇った家事代行サービスや、家政婦などは帆高に好意を抱き、ストーカーになり警察沙汰にもなったことから
もう自分でやることにしたのだが、結果部屋の掃除をする余裕もなく、ホテルにいる方が多くなった。
〇帆高視点 現在 自室
帆高「今何時だ」
仮眠を終えた帆高はベッドから起き上がる。
自室にはベッドと本棚、それから勉強用のデスクしか置いていない。
観葉植物も以前は置いていたが、自宅に帰らない日々が多くなると水やりなどが出来なくなるため、今はない。
〇帆高視点 回想
突然、友人の向上拓哉が家政婦を紹介するといったのは少し前のことだ。
電話がかかってきた。
向上『俺の知り合いに仕事を探している人がいてね。素性は問題ないし、よかったら紹介するよ』
帆高『紹介?今は探していない』
向上『まぁまぁ。一回会ってみてよ。あー、でも住み込みが希望なんだ。そこもオッケー?』
帆高『どっちも無理だ』
断ったものの、電話をしながら見渡す部屋を見て家事代行か家政婦はどのみち利用せざるを得ないと思った。
内心、溜息を溢しながらその日はそのまま仕事へ向かった。
〇帆高視点 現在
向上から『明日、そっち行くけど予定どう?この間話した紹介したい家政婦さん連れていくよ』と突如電話が来て、
向上の強引さに押されるままに当日を迎えていた。
まさか現役の女子大生で、かつ、わけアリの貧乏学生だったことを事前に知らされていたら
絶対に来るなと言っていたと帆高は思っていた。
女性が嫌いだった帆高の性格を知り尽くしていたはずの向上が若い女性を連れてきたことに驚きと、どういうつもりなんだという怒りに似た感情があったが、初めて会った聖は”訳あり”というだけあって荷物は一つだけ、黒髪のセミロングの髪を適当に結っただけの髪型、年頃の女の子だというのにメイクの一つもしない、今どきとはかけ離れた印象に残った。
帆高(素朴というか、よく言えば純粋そうだが…)
しかし、そのような見た目とは裏腹に自分を雇ってほしいと目を向ける聖の目は芯のある強さを感じるものだった。
力強く、ぶれないそれはたまに見る目だが、こんな若くてまだ学生の聖から向けられるとは思っていなかった。
〇帆高視点 寝室
帆高「…何時だ?」
今何時だろうと体を起こした。
自室で仮眠を取っていた。
帆高「…五時か。結構寝たな」
まだ怠い体を引きずるようにベッドから出る。
リビングルームに向かう。
すると、部屋からいい香りがする。
帆高(あぁ、夕飯でも作ったのか)
すぐに聖の顔が浮かぶ。人が家にいることは普段であれば、絶対に嫌なのだが
あの子であれば無害だという勘のようなものがあった。
しかし、リビングルームのダイニングテーブル付近に目をやると、帆高の足が強制的に止まる。
帆高「……どうした?」
聖「いや、何でもないです」
帆高「何でもないわけないだろ。なんで泣いてんだよ」
聖「泣いてないです」
帆高(何故泣いているんだ。俺が何かしただろうか)
今にも壊れそうに肩を震わせる聖に、帆高は感情を揺さぶられる。
帆高「泣いてる。目も真っ赤だ」
聖「……」
帆高「俺の言い方が悪かったか?
聖「そ、そんなわけないです!…祖母と一緒にご飯を食べていたことを思い出しただけです。ホームシックですよ、ただの」
強がっているのはわかっていた。
帆高(俺がいなければ泣き続けていたのかもしれない)
帆高は自分でも驚く行動をする。聖と一緒に食事を取ることを躊躇なく選択した。キッチンに行くと、丁寧に作られたであろう
和食中心の料理を更に盛り付ける。
それをテーブルに並べる。
帆高「部屋も十分すぎるくらいに掃除がされている。ありがとう。俺の分の料理もあるみたいだから一緒に食べよう」
聖「…え、でも、」
帆高「いただきます」
初めて他人の作ったものを食べたかもしれない、と帆高は思った。
驚く聖の顔が徐々に解れていくのを見て安堵していた。
帆高(何故、今…ほっとしたんだ?)
聖が笑顔を見せると安堵した。その理由がわからずに、帆高はモヤモヤしていた。