再逢
ここは『Passage du vent』に居るかのような懐かしい気持ちと、胸が熱く涙が込み上がるような気持ちになる‥‥‥

初めて来たのに、ホテルと雰囲気が
似ているから?何故こんな気持ちに
なるのか不思議で仕方ない


『待たせてすまない。こっちに
 おいで。』


サンルームに近いくらい陽の光がよく
入る空間から支配人の元へ向かうと、
テーブルに何冊も本やアルバムのような
ものを置いてくれた。

『ゆっくり見ていいよ。お茶を
 淹れてくるから。』

「ありがとうございます。」

北欧家具だろうか。アンティーク調の
楕円形の木のテーブルに、ラタンと木材が組み合わさったおしゃれなチェアが
とても素敵で座るのにも少し緊張してしまいつつも、本を一冊手に取った

『Passage du vent』
 〜風の通り道〜

深緑の上品な布クロスに水色の刺繍で
そう書かれたホテル名を指でなぞると
傷つけないようにそっと開いた
< 140 / 169 >

この作品をシェア

pagetop