年下研修医の極甘蜜愛

 仁寿が茹であがったパスタを皿に盛って、フライパンのミートソースをかける。すると、湯気に乗って漂ってきたおいしそうな匂いが、彩の鼻腔をくすぐった。


「なにも問題はないみたいで、四カ月おきの受診が半年おきになりました」

「半年後か。病院に行ったのは十月だったから、次は来年の四月くらい?」

「そうですね」

「少しは、ほっとした?」

「はい、ほっとしました」

「僕もほっとした」


 何気ない日常こそ幸せ。ふと、いつかの、仁寿の言葉が胸をよぎる。思えば、今までなにが幸せかなんて、真剣に考えたことがなかった。僕もほっとした、と言われて目の奥がじんと熱くなるのはなぜだろう。

 彩は、カウンターに置かれた二人分の小盛りパスタをダイニングテーブルに運ぶ。席に着く間際、仁寿が黒い長袖のシャツを彩に手渡した。彩が着ている、白いコットンリネンのブラウスへの気遣いだ。


「これ使って」

「ありがとうございます」


 仁寿サイズの長袖を着て、イスに座る。横髪を耳に掛けると、向かいに座った仁寿がスプーンとフォークを差しだした。
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