年下研修医の極甘蜜愛
初体験は、先輩とつき合い始めてから一年と半年ちょっと過ぎたころ。お互いの誕生日でも二人の記念日でもなんでもない、土砂降りの平日だったような気がする。
話に聞いていたとおり、初めては気持ちいいより痛みのほうが強かった。けれど、相手は好きな人だもの。この痛みはいつか喜びに変わるはず。そう思っていたのに……。
「お前さ、声がよくないんだよな。お前とのセックス、なんかつまんねぇわ」
使用済みの避妊具を始末しながら先輩が投げつけたセックスの感想は、ものすごい衝撃で心を打ち砕く残酷の塊だった。新宿のラブホテルは赤色の室内灯が毒々しくて、先輩の笑顔はホラー映画に出てくる不気味なピエロみたいで。
好きな人と結ばれた喜びや幸福感はおろか、返す言葉すらない。どう形容すればいいのか分からない感情で心の中がぐちゃぐちゃになって、一人残されたホテルで涙が枯れるほど泣いた。
先輩とはそれっきり。もう二度とあんな惨めな思いをしたくないから、恋愛はしていない。
思えば、あれからだった。不眠に悩むようになったのは――。