年下研修医の極甘蜜愛
ちょうど通りかかった外来の看護師長が、目を丸くして彩に近づく。彩は、窓際の棚にバッグを置くと、中からリアルな人工腕ジュリアンを取り出した。
「見た目が本物みたいで物騒だから、人目に触れないようにして持って来ました」
彩が言うと、師長の目がますます大きく丸くなる。
「え? これをどうするつもり?」
「あ、師長さん。それ、僕が使います」
「藤崎先生が? って、なんで先生がいるの」
「お久しぶりです。詳しい話はのちほど。五番ベッドの患者さんが看護師さんの手をご所望と聞いたので、それを握らせたらいいんじゃないかと思って」
「ああ、なるほどね。もう大変だったのよ、大声出すし暴れるし」
「みたいですね。すみません、師長さん。それを持って一緒に来ていただけませんか? お時間は取らせませんので」
「いいですよ」
ありがと、と彩に言って仁寿がベッドサイドに立って青木に話しかける。彩はそれを見届けると、ジュリアン用のバッグをたたんで点滴室を出ていった。