年下研修医の極甘蜜愛


「青木さん、採血しますよ」

「触るな、ばかやろう。てめぇ、ねぇちゃんはどこ行きやがったんだ」

「ここにいます。文句を言わない大人しい子ですから、安心していいですよ。青木さん、優しく握ってあげてくださいね」


 仁寿が目配せすると、師長が苦笑しながらジュリアンを患者の手元に置いた。


「あったけぇなぁ」


 ジュリアンの手をつかんだ青木が、視線を宙にさまよわせて深いため息をつく。仁寿は、その隙に青木の腕に針を刺した。


「青木さん、息が苦しくないですか?」

「どうだかなぁ、ずっとこうだから」

「お腹は? 痛くないですか?」

「あー……」


 青木さん、と針を抜いて仁寿が話しかけると、今の今まで喋っていたはずの青木は、口をもごもごさせて寝入っていた。胸と腹部を聴診したあと、眼球と結膜を見て青木に毛布をかける。仁寿は、師長と電子カルテの場所まで移動して、一緒にカルテを見ながら青木について話した。


「検査の結果を見ないとなんとも言えないけど、状態がよくなさそう。こまめにバイタルチェックしてください。起きあがれないと思うので、レントゲンはポータブルで撮ってもらうよう放射線科に伝えておきます」

「分かりました。採血の結果が出たら、先生に連絡すればいいかしら」

「いえ、茅場先生に報告してくださればOKです。採血結果を待たずに画像を見てもらったほうがいいかも。あとはお願いしますね。僕はひとまず、採血を検査室に出して医局に戻ります」

「藤崎先生、ありがとう」

「由々しき問題ですね、セクハラ」

「そうよ、まったく。いまだにたったそれだけでって言われることが多いけど、怖くて看護師の仕事をできなくなっちゃう子だっているんだから」
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