年下研修医の極甘蜜愛


「大人のデートですか……。でもわたし、このとおり普通の服装ですよ? 明日の研修医会に着ていくスーツはありますけど、見るからに仕事用だからデートには不向きかもしれません」

「いいよ。彩さんは、そのままで」

「え、でも」


 彩の服は、シンプルなニットとスカートにコートを着ただけの普段と変わらないものだ。並んで歩くには、どう見ても不釣り合いなのではないだろうか。

 仁寿が、彩の手から部屋のカードキーを取ってスーツの内ポケットに入れる。二人が今夜宿泊するこのビジネスホテルは、外出する時にわざわざフロントに寄って鍵を預ける必要はない。出張中は、様々な理由でホテルに戻る時間が遅くなったり、頻回に外出したりする。だから彩は、いつも出張の宿泊先を予約する時、チェックインとチェックアウト以外はフロントを通らなくていいホテルを選ぶようにしているのだ。


「そうだ、彩さん。お願いがあるんだけど……」

「なんですか?」

「外で先生って言われると職業をあれこれ推測されそうで嫌だから、名前で呼んでくれない?」

「はぁ……」


 目を点にする彩に、仁寿が「お願い」と真顔で迫る。
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