年下研修医の極甘蜜愛

蜜愛



「ん……っ」


 反射的に目を閉じて、真っ暗になった世界で何度も唇をついばまれる。ほんのり甘くてフルーティーなシャンパンの香りと味のする柔らかな唇の感触が気持ちよくて、彩は強請るように口を開けて舌を伸ばした。それに応えるように、仁寿が彩の唇を舐めて口の中に差し入れる。そして、彩の舌をつかまえながら頬に触れていた手で首や肩をなで、チュール生地の上から手の平で胸のふくらみを包んだ。


「ふ、……んっ、……せ、んせ……っ」


 キスの合間に大きく息を吸い込んで、彩は仁寿を呼んでワイシャツの胸元を指先でつかむ。キスだけで頭から溶けてしまいそうなくらい気持ちいいのに、他の刺激まで与えられると体がじんと疼いてしまう。眠れない夜ではないのに、先生がほしくてたまらなくなる。

 ちゅっと音を立てて、ふいに仁寿が絡んだ舌を離した。途端に、彩は心に穴が開いたような寂しさに襲われる。


「彩さん、先生じゃない。彩さんと一緒にいる僕は、先生じゃないよ」


 彩が目を開くと、仁寿がペナルティを与えるように彩の下唇を甘く愛咬して、「名前で呼んで」とささやくような声で優しく命令した。至近距離から見つめてくる仁寿の目には、いつもの愛嬌が鳴りを潜め、獰猛さと物欲しそうな欲情の色がにじんでいる。仁寿の視線が彩の唇に落ちて、視姦するように舐めた。体の奥で、どくどくと低い脈動の音が響く。


「……仁寿さん」


 やっぱり恥ずかしさを拭えなくて、声が細くなってしまう。けれど、名前を口にすると、陽だまりができたみたいに心があたたかくなる。彩は、目の奥がじわじわっと熱を帯びるのを感じながらもう一度「仁寿さん」と名前を呼んだ。
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