年下研修医の極甘蜜愛


「もしもし、お母さん?」

『めずらしいわね、彩が電話してくるなんて。もう仕事終わったの?』

「うん。今ね、由香と夜ご飯食べて来たところ」

『そう。由香ちゃん、変わりない?』

「相変わらず。仕事、頑張ってるよ」

『ならよかったわ。彩も、体を壊さないようにしなさいよ』

「ありがとう。お母さんこそ、元気にしてる? お父さんは?」

『こっちは二人とも元気よ』

「そっか。年末年始ね、今年はお正月の出勤がないから帰れそうなんだけど……。大事な話もあるし」

『あら。それじゃあ、帰って来なさいよ。お父さんが喜ぶわ。ずっと彩に会いたがっているもの』

「二十九日の仕事が終わったら、その足で帰るね。そっちに着くの、多分、夜九時過ぎると思う」

『二十九日ね。ご飯を用意して待っているから、気をつけて帰って来なさいね』


 電話を切り、ロータリーでタクシーに乗る。仁寿は今日、研修先の忘年会に呼ばれているそうだ。二次会には行かずに帰ると言っていたから、会えるのは午後九時を過ぎたころだろうか。
 タクシーが発車したところで「帰ったよ」と仁寿からメッセージが来て、あと三十分くらいで着くと返す。連休を、一緒に過ごす約束をしているのだ。
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