年下研修医の極甘蜜愛
「彩さん、ここに座ってよ」
言われるがまま、彩はベッドの足元にあるフットベンチの中央に座る。彩度を落としたダウンライトのオレンジ色の明かりが照らす寝室には、ほのかに甘いアロマの香りが漂っていた。
「願いします」
背をぴんと伸ばし、律儀に正座をしている彩の背後で仁寿がドライヤーのスイッチを入れる。お風呂上りにタオルで拭いてしばらく時間がたった髪を温風がそよぎ、指先で梳かれると、気持ちがよくて夢見心地になる。
ピコン。彩のスマートフォンがメッセージを受信する。ステータスバーの通知で、それが二年目の研修医からだと分かる。彩は、いつもの癖で画面をタップした。
「彩さん」
彩の髪を指で梳きながら、仁寿がマナーモードにするように言う。
「もう遅い時間だし、休日なのは相手も分かっているはずだから、急いで返す必要はないんじゃない?」
でも、と言いかけて、彩は指を画面から離した。休日でも夜遅くても電話がかかってきたら出て、メッセージには遅滞なく返事をするように心がけてきた。それが仕事で、当然そうすべきだと思っていたから。まるで体の一部のように、いつもスマートフォンを近くに置いて――。