年下研修医の極甘蜜愛
「休息は大事だよ。オンとオフを上手に切り替えて、心身をリフレッシュしないとね」
彩が振り返ると、ドライヤーのモーター音が止んだ。
「このドライヤーは、総合病院の看護師さんからオススメされたんだ。その看護師さんね、ヘアドネーションしてて髪のケアに詳しくてさ。彼女にプレゼントするならどのドライヤーがいいか尋ねたら、これがいいって。使い心地はどう?」
仁寿が、彩の手からスマートフォンを取って電源ボタンを長押しする。
――少し強引なやり方かもしれないけど、彩さんは真面目だから。
年に一度か二度とはいえ、薬が効かないほどの不眠になるのには必ず原因がある。彩さんは一緒にいるだけでいいと言ったけど、それで治るほど軽いとも思えない。だから、心に悪い影響を与えそうなものを思いつく限り取り除いてあげたい。
……というのは建前で。
――僕との時間を、誰にも邪魔されたくない。
本音を柔らかな笑顔で隠して、仁寿が電源の切れたスマートフォンとドライヤーをフットベンチの隅に置く。
「あの、仁寿さん」
彩は、ベッドに上がって仁寿と膝を突き合わせるように座り直した。そして、真剣な顔で仁寿の目を見つめる。本音を見透かされたのかと思った仁寿の顔に一瞬、焦りの色が浮かんだ。