年下研修医の極甘蜜愛
エピローグ

エピローグ



 新しい年を迎えて、慌ただしさが落ち着いた一月二十日。
 日曜日だというのに、仁寿は仕事の日よりも早く起きて入念に顔を洗い、髪を整え、ワイシャツにネクタイをしめた。

 今日は、いよいよ彩の両親に挨拶をしにいく日だ。昨夜ちゃんと寝たのかどうかも定かではないくらい緊張している。大学入試や医師国家試験の時ですら、こんな緊張感は味わったことがない。何度も挨拶の言葉を練習して、大丈夫と自分に暗示をかける。


 ――頑張れ、僕。彩さんとの未来のために!


 そわそわと落ち着かない様子で約束の時間になるのを待つ。そして、午前九時半。仁寿はスーツのジャケットを颯爽と羽織り、コートを腕に掛けて家を飛び出した。老舗の和菓子店で頼んでおいた手土産用の菓子を受け取って、彩のアパートへ急ぐ。

 アパートに着くと、既に彩が駐車場の前で待っていた。彩も、普段より少しだけかしこまった服装をしている。上着のコートは、あの夜に仁寿がプレゼントした黒いチェスターコートだ。

 路肩に車を停めると、彩が助手席のドアを開けた。


「おはようございます、仁寿さん」

「おはよう。もしかして、ずっと待ってた?」

「いいえ、さっき来たばかりです」


 彩が助手席に乗り込んだ瞬間、ふわりとコーヒーのいい香りが漂う。
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