年下研修医の極甘蜜愛
「……は、はい。すみません、心配をかけてしまって」
信号が青に変わる。仁寿は、ただにこやかな顔をするだけでなにも言わなかった。
ハンドルを握る横顔を眺めながら、彩はしみじみ思う。
初めて会った時、先生は十九歳の医学生だった。あれか五年がたったけれど、顔つきが大人びただけで中身はまったく変わらない。
柔らかな物腰と表情、見た目の雰囲気にもにじみ出ているおおらかな性格で人を惹きつける。
飄々としているように見えて実は努力家で、指導医たちが教え甲斐のある有望株だって評価していた。だから余計に自分とは不釣り合いだと思うし、罪悪感みたいなものまで抱いてしまう。
彩のアパートに着き、来客用駐車場に車を停めて階段をあがる。彩の後ろを、上機嫌な顔をした仁寿がついていく。
「ここ、僕の家から歩いて十分かからないんじゃない? 彩さんが、こんな近場に住んでるなんて知らなかったな」
「知ってたら怖いですよ。ストーカーじゃないですか」
「ははっ、そうだよね」
開錠して玄関を開ける。瞬間、手に汗握るような緊張感に襲われた。だって、父親以外の男性を入れるのは初めてだから。