年下研修医の極甘蜜愛
「あった?」
「はい。ご、ごめんなさい」
――なんで謝ってるんだろう、わたし。
彩は、慌てて鍵をつかむ。そんな彩を見て、仁寿が嬉しそうな笑みを浮かべながら「行こう」と言った。
エントランスの一つ目の自動ドアを通って、両手が塞がった仁寿の代わりに彩がオートロックを解除する。その先は、ソファーとイス、それからテーブルと観葉植物が置かれた広いホールになっていた。
二人が中に入ると、集合ポストの前にスーツ姿の女性が立っていた。両腕に買い物袋と大きなバッグ、そして二歳くらいの子供を抱きかかえた若い女性だ。
ちょっと待ってね。ごめんごめん、はいはい。
泣いて暴れる子供をあやしながら、女性がポストの中を必死にまさぐっている。見るからに難儀してそうだ。
「大丈夫ですか?」
彩の声に、女性は一瞬だけ驚いて、困り果てた表情でポストに視線を移した。どうやら、大きな茶封筒がポストの角に引っかかって取り出せずにいるらしい。彩はそれをポストから抜き取ると、了承を得て彼女の腕にさがっている大きなバッグに入れた。